●床屋


 今日、散髪に行った。短い髪なので、数ミリ伸びても目立つ。それだけでなく、理容師さんにいわせると毛の立ち方がまっすぐらしく、伸びてくると短くてもすぐに寝癖がつく。そのため月に二回は通わなくてはならない。

 若い頃は長髪で、肩に届くまで伸ばしていたときもあった。
 髪を短くして何十年が経っただろう。振り返れば、髪を切ったときに、それまでの若者に特有の向こう見ずな勢いも捨て去ったのかもしれない。

 その代わりにこじんまりとした日常を手に入れた。
 きっと多くの人がこうしたトキを経て、やがて朽ち果てて行くんだろう。

 彼はどうだったのだろう。あの長髪のまま、人生を全うできたのだろうか。
 誰にもそれは分からない。ただ、はっきりしてるのは、彼の時間が突然、止まったことだ。

 床屋のレジの横には結末を伝える号外が置いてあった。
 今度行くときには、もうそれは片づけられている。その場所にはミニコミ誌でも置いてあるのだろう。

 なにを学べばいいんだろう。果たして悲しみなのか、憎しみなのか、非難なのか、苦しみなのか、分からない。

 分からないまま、これから先も月に二度の床屋通いは続く。


香田証生さんのご冥福をお祈りします。

●操縦


 ネズミの神経細胞を培養してそれらを結合させた「脳」が、バーチャルの飛行機を操縦させるというニュースがあった。
 すでに、「機体の縦ゆれと横揺れをコントロールできる程度にまで操縦方法を学習した」という。

 正直、驚いた。最初はまったく操縦などできなかったという。3歳児でもそんなこと無理だと思うんだけど、どんな状態なのか、ぜひ知りたいものだ。

 ところで、これは果たして考えているということになるんだろうか。あるいは、ゆれの刺激で、神経群があるパターンの興奮を起こしたとき、それをゆれの補正に戻しているだけとかじゃないだろうか。

 どういうことか、もう少し説明してみよう。
 たとえば若い娘さんがなまめかしいポーズで青年院長を刺激するとする。まじめで本にしか関心のない青年院長は興奮する。でも、授業をさぼるのがまじめで、エロ本にしか興味のない青年院長は「これこれだめですよ。そんなことしちゃ」と娘さんの生き方の補正をする。

 若い娘さんに声をかけたいけど、単純に娘さんを諭すだけのことをオウムのように繰り返すのは、果たして「脳」なんだろうか。もちろんいろんな誘惑のパターンがあるんだろうけど、それぞれに応じてテープのように対応をするとすると、それは果たして考えているといえるんだろうか。

 もちろん、研究は「思考」そのものを問うているものじゃないんだろうし、すばらしいものなんだろう。ただ、なんとなくひっかかっては、いる。


 でも、ほんとにネズミの「脳」が飛行機を操縦できるようになったら、おもしろいだろうね。
 その飛行機が世界一周をしたときの言葉は、きっとこうに違いない。

「チューばさよ、あれがパリの灯だ」

●記憶


 記憶は睡眠中に強化されているらしいという研究より。
 記憶を司るものに、海馬(かいば)というのが頭のなかにある。何人かに、ある道順を覚えさせると、睡眠中その海馬の活動が活発になった人の方がより、道順を覚えていたという。

 思えば生まれてこの方、記憶力に長けていると思ったことは、一度もない。生まれたときも覚えてないし、こんなことだから、きっと死んだあとも覚えてないに決まっている。
 不思議なことに千年前に平安京ができた年は覚えているから、自信を取り戻したいところだが、困ったことに身近なことは覚えきれないでいる。

 とくに買い物を頼まれたときなんか、めんどうだ。院長だからといって、毎日のクリニックの掃除をこなすだけではことがはすまない。ちょっと気を緩めると、洗剤やら犬のえさやらたこ焼きやらをスーパーに買いに行かされるハメになるのだ。

 それでも一つや二つのときは、なんとか無事に難題をくぐり抜けることができる。だが、買い物が5つも、6つもになると、とてもこなせない。

 どうしてそうなるのか、ぜひ研究者に明らかにして欲しい。
 買い物など行かされる時間があれば、その時間とこの身を研究のために捧げたい。


スタッフ「ようするに買い物に行きたくないだけでしょ」
院長  「違う。寝ても明日の買い物を覚えようとしている」
スタッフ「なるほど」
院長  「海馬の活動が活発になればなるほど、記憶ができなくなる」
スタッフ「というより、買いもの活動が活発になればなるほど、記憶ができなくなる」
院長  「そうそう」
スタッフ「じゃあ、何回かに分けて行ってもらいます」
院長  「…はい」


苦労が、かいバ見える症例として、身を捧げてもいいんだけど。

●リンク集

登録可能なリンク集を載せました。よければどうぞ。

●耳鳴り


 ここ四,五日、9月の下旬に続いてまたまた風邪気味だった。少しアルコールを控えたせいか回復してきたのはよかったけど、今日から耳鳴りがし始めて。そんなに鼻をかんだわけでもないのだけど。
 門外漢なのでネットで調べると、意外に原因が複雑で、長引くと治療もむずかしいようなのね。

 まぁ慢性化したらしたで、お付き合いするしかないか。ついでだからどんな音が鳴り続けているのかエレクトーンで音を拾うと、どうもFの音、ハ長調でファの音がキーンと鳴り続けているよう。
 ふむふむおもしろそう。
 じゃあ、耳鳴りの音程と障害の程度に関連なんてないの?って、これまたネットで検索したんだけど、残念なことになにもヒットせず。
 せっかくの耳鳴りなのに、うーん、これ以上楽しみはないのかなぁ。まぁ明日とりあえず耳鼻科で診てもらうことにしようかしら。


院長 「どうもファの音がズーと続いているんですけど」
耳医者「それは耳鳴りじゃないですね」
院長 「間違いなく聞こえるんですけど」
耳医者「でも耳鳴りじゃないですね」
院長 「どういうことですか」 
耳医者「ミミとなるのがホントのみみ鳴りです」
院長 「うわぁおぅ」(^O^)

●感覚


 自分の頭の後に、ひらがなの”か”の字を指で書いて欲しい。そう後頭部に。
 書いたらその指を前に持ってきて、もう一度、”か”の字を、今度は額に書いてみて欲しい。

 簡単なようだ。でも、本当にうまくできただろうか。額に書いたその書き方を、そのまま机の上になぞってみたら、どんな字になっているだろう。”か”の字は、逆になってはないだろうか。

 感覚とは不思議なもの。触っているから間違いのないものとはいえないのだ。

 今日、イラクで日本人が人質に取られた。人一人の命が脅かされている。
ニュースが伝えるところでは、”情勢を肌で感じたいから”イラク入りしたとのこと。

 でも、隣の国から入国する際、そこにいた日本人に危険だと諭されたという。
 肌の感覚が違っていたのだろう。その場の感触は、どういうわけか間違って”安全”と感じられたのだろう。

 そのセンスについては疑問がある。
 だが、なんであれ、命は命だ。
 ぜひ彼が救われることを祈ってやまない。

 同じ土地に住む者としても。

●攻撃性


 酔っぱらったミツバチが、人の酔っぱらいの行動を明らかにするかもしれないというニュースより。
 実験者いわく、「多くの人がお酒を飲むと攻撃的になる。ハチも同様な振る舞いをするかどうか知りたい。昆虫で攻撃性の神経の仕組みが明らかになれば、ヒトにも適応できるだろう」。

 なんでもミツバチの神経系は脊椎動物のものに似ているらしく、都合がいいという。で、ハチをストローのなかに入れて、エタノールと糖を混ぜた液を与える。それで羽ばたきや、歩行、静止、毛繕い、伏している回数を数え、かつハチの”血液”のアルコール濃度を調べた。
 アルコールの消費量が増すと、羽ばたきや歩行などは減り、ひっくり返るのが増えたんだけど、これは予想されたこと。
 将来、分子レベルで攻撃性というものを解明をするための、ウォーミングアップ的な実験ということらしい、


 酒飲みとしては、とうとうハチさんにまで苦労を掛けることになったのかと、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。とはいえ、お酒を飲んでケンカをしたことのない身としては、そこまでハチさんに迷惑をかけなくてもいいのに、という思いもある。

 だいたいそこに述べてある、”Many people get aggressive when they drink too much”、つまり「多くのひとはお酒を飲み過ぎると攻撃的になる」というのは間違っているんじゃなかろうか。手元にある研究社新英和中辞典が間違っている可能性もあるけど、やっぱり間違っていると思う。

 多くは、ケンカをできないほどの小心ものが、酒に逃げ道を求めるのている。そばにいる女性に口答えなどする気も奪われているものが、ビールに明日を見いだしているのだ。
 そして、小心者はどこまでいっても小心者で、反抗できないものは、浮かび来る泡の数を数えながら、そばの女性の機嫌をいつまでも窺うしかないのだ。

 だからハチさんの実験は、もう止めて欲しい。
 それができないなら、院長が替わりになってあげよう。エタノール類はビールでお願いしたい。ご希望ならストローを口にくわえてもいい。
 攻撃性の解明はできないだろうけど、アルコールの消費量が増えると、なぜヒトは踊り出すのかということが、きっと明らかになっていくに違いない。

●カモノハシ


 カモノハシの性染色体についてのニュースより。
 その前に、カモノハシと性染色体について説明しておかねばならないだろう。

 まずカモノハシについて。
 オーストラリアに生息する生き物で、他の大陸から切り離されたため、独自の進化を歩んできた。夜の街のカウンターの中に、ガマの足のように進化した女性を見たことがあるが、この生き物はそれとはちょっと違う。
 そこの記事に書いてあるように、「お乳を出すにも関わらず、卵を抱き、鳥のようなくちばしとハ虫類のような骨格」をもった生き物なのだ。

 次に性染色体について。
 細胞のなかにある小さなもので、これで”性”が決まる。”東京ラブストーリー”も”源氏物語”も、これがないと存在しえなかった、という代物だ。
 で、ほとんどのホ乳類では、XとYの二つの性染色体の組み合わせで決まる。具体的にはXXでメスになり、XYでオスになる。

 不幸はそこから始まる。男となり、あるいは女となった生物体は、やがて解けない恋の方程式を解こうともがき始める。だがそのXとYの解は、男と女の間にある深い深い底なし沼に人目に付くこともなく沈んでいるのだ。


 これで、ようやくカモノハシの性染色体の話に移ることができるだろう。
 このカモノハシ、オスがXYXYXYXYXYで、メスがXXXXXXXXXXとそれぞれ染色体が10個もならんでいることが分かったという。ガマの足のように進化した女性が、スターウォーズに出てくる”ジャバザハット”でないと分かったとき以上の驚きだ。

 どうしてこんなに並んでしまったのか、研究者にも見当がつかないらしい。

 でも泥沼の薄汚い水をたらふく飲んできたものとしては、なんとなく分かるような気がする。
オスを傷つけてはならない。オスに従順にならねばならない。ビールは三本以上飲ませなければならない。きっと創造主は、そのようなメスの生き物を作りたかったのだ。その実験がカモノハシだったのだろう。
 もちろん、これに反発するメスも出てくるはずだ。そのために密かに染色体に刻印を入れられた。
 いつも業を背負って生きなさいと、心を痛めて書かれたのだ。逆らうと天罰ものよ、と忠告されたのだ。

 だからメスの染色体の数は、ten×なのだ。

 でも創造主は失敗された。思惑ははずれ、オスを傷つけ、オスを従え、ビールを三本に制限する生き物へと、メスは勝手に進化していったのだ

……と思う。一方オスは、ワイワイYYと無邪気に振る舞う生き物へと、思惑通り進化した。きっと創造主の性別はメスじゃなかろうか、とも思う。

●大統領選


 米国で大統領選が行われている。今後の世界の将来がどうなるか心配でならない。患者が来なくても世界のことを気にしているくらいだ。クリニックの将来もどうなるか心配でならない。
 とりわけ心配なのが、なんだか分からない投票システムで大統領が決まってしまいそうだということ。
 なんでもタッチパネル方式の画面で投票が行われるらしく、ある筋の読みではかなりの数の無効票がでてくるという。

 そもそもパソコンでものを選ぶという行為に、まだ人は慣れてないんじゃなかろうか。パソコンがこんなにも日常生活に入り込むようになってから、まだ十年も経ってないはずだ。

 今年もお中元の”めんたいこ”を選ぶのにゆうに1時間はかかった。品を決めるのにはさほど時間はかからない。安くて食当たりしそうにないものを選べばいいだけだ。問題はそれから先にある。会社が求める通りの、名前や住所の情報を入れなければならない。
 できれば匿名で商品だけを手に入れたいのだけど、相手もやるもので、なかなかそうはさせてくれない。

 で、やってると途中で誤ってリターンキーを押してしまう。Windowsだけかもしんないけど、ほとんどの場合、それで画面が変わってしまい、それまで入力していたもののほとんどがなくなってしまう。ってなことを繰り返してると、なんだかやる気が失せてしまうのね。

 ほかにもある。院長の重要な仕事である、銀行の両替のときなど、ホトホト困り果てている。スタッフから渡された指令書には自動両替機でやるように書いてある。で、やってるんだけど、よく分からず、画面上で前に行ったり戻ったりしてるうちに、やがて後ろに人が並び始める。だんだんあせり始め、とにかく機械のなかに入れたお金が減ることはないだろうと、デタラメにボタンを押して、列から離れてしまう。
 指令書にはちゃんと、”500円玉が10枚、10円玉が100枚”云々ときちんと書かれてるんだけど、結局遂行されずに銀行から撤退せざるをえないという事態を招いている。もちろん銀行を出たときには、お金が増えてないかどうかの確認はいつもしているけど、残念ながら今までそんなことは一度もない。

 少し焦点がぼやけてしまった。
 メモをまとめよう。つまり、まだまだパソコンを用いた重要な選択は、人類には無理だということだ。院長に自動両替を任せるなんて、とんでもないということを人類は思い知るべきだ。

今度、銀行での両替の仕事からはずしてくれるように、ビシッといってやるつもりだ。だが、相手が自動両替機なので、通じるかどうかが不安だ。
それと、このサイトもけっこう興味深いかと思うので、ぜひ一読あれ。

●病名


 マルタ病という病気があった。過去形で書いたのは、地中海のマルタ島の人たちが反対して、病名を変えたからなのね。この病気、細菌で起こるんだけど、確かに、名前だけ聞くとマルタ島に広がる風土病として誤解されるかもしれない。そんなこんなの詳しい経緯がここの記事にある。
 なんでも Bruceって人が、マルタ島で死亡した軍人の脾臓に微生物を見つけ、それをマルタ菌となずけたことに騒動の原因があるらしい。

 とはいえ、あまり聞き慣れない病名であるのも確か。一度もこの患者を診たことがない院長なんか、患者を前にして、さてなんの病気じゃろかいな、コマルタ、コマルタ、と頭をひねること、間違いなしの病気だ。

 で、このマルタ病が取りやめになったあと、なんという病名になったかというと、ブルセラ症。下着ショップのおやじがこの病気になると、ブルセラ商のブルセラ症?、とやはり頭をひねること、間違いなしの病気には変わりない。

 実はこうした病名の変更というのは、ちょくちょく行われている。たとえばパーキンソン病などという病名は、以前はパーキンソン氏病と”氏”がついていた。もうめんどうだからやめようね、というので、”氏”が取れたわけ。
 それとかある種の偏見を持たせるかも知れないとのことで、最近、分裂病が統合失調症になったし、患者を不安にさせるかもということで、これもつい最近、慢性関節リュウマチの”慢性”がなくなり、関節リュウマチになった、とか。


院長  「名医にとってはとても都合のいいことだね」
スタッフ「というと」
院長  「たとえば慢性関節リュウマチの見立てが違っていたとする」
スタッフ「それで」
院長  「患者から文句をつけられる。ほかの病院で診てもらったら、『慢性関節リュウマチじゃなかった』ってね」
スタッフ「それで」
院長  「あ、いまはそんな病名じゃないんですよって、反論できるでしょ」
スタッフ「なるほど。院長の場合は微妙名をつけてるんですね」
院長  「そうそう」


…ってナわけはありません。たぶん。

●妖怪汁


 まずこのサイトをぜひ見てもらいたい。

”妖怪汁”と”目玉のオヤジ汁”。
 
 確かに憲法には表現の自由がうたわれている。ついでに飲酒の自由も明文化してもらうと、日々の苦労が激減するんだけど、それはさておき、飲み物になんと名前をつけるか勝手とはいえ、やはり”妖怪汁”はどうなんだろうか。
 もちろん、すてきなネーミングと評価する人もいるに違いない。少なくともつけた人はそう思っているはずだ。
 でも世の中の評価はきっと違うような気がする。
 ということで、”妖怪汁”の名前の解釈についてメモしてみようかと。

 まず、”妖怪が作った汁”というもの。
 この飲み物、あるいは零細の工場で作られているかもしれない。新製品を開発したはいいけど、名前が思いつかない。
 従業員が帰ったあとも、カミさんと二人で働いていたオヤジは悩んでいた。で、ふと顔を上げると目の前にカミさんの働く姿がある。その手元には新製品の缶が。
 それをじっと見つめながら思いついた可能性がある。

 次に”妖怪が出す汁”という解釈。
 ぐうたらオヤジはすぐに手を抜いて、こっそり工場を抜け出す。そして夕日を見ながらタバコを一服したあと、またこっそり戻ってくる。そのときカミさんの額が夕日に照らされ、きらりと反射するのに気づく。汗だ。なんてきれいな汗なんだろう。まだ命名式を終えていない初々しい汁にはもってこいの情景だ。
 それをみて、思いついたのがこのネーミングということはないだろうか。

 最後に”妖怪をつぶした汁”。
 作ったものの、オヤジはうまく売れ筋に乗れるか心配でならない。もし失敗すれば借金は払えない。どうしたものか。もしものときは、命に代えなければいけないのか。そのときはダンプにでも飛び込まなくてはいけないんだろう。カミさんも道連れにしなくてはならないのだろうか。
 こうした妄想にかられているときに、ふと浮かんだ名前じゃないだろうか。


 果たしてこのネーミングが世に受け入れられるものかどうか、微妙な問題をはらんでいることが、ご理解頂けただろう。

 じゃあ、”目玉のオヤジ汁”はどうなのかって?
 もちろん、カミさんがオヤジを見ながら思いついたものに決まっている。

実はつい数日前に、この”妖怪汁”を口にする機会がありまして。
というのは、今年の米子という鳥取県の小都市で行われたトライアスロンの参加賞にこの”妖怪汁”が入ってたのね。
そもそもこの”妖怪汁”、水木しげるさんが生み出したキャラをモチーフにした商品で、彼の生まれた境港市がすぐ横にあるため、頂けたものと理解している。
でも、もらったはいいけど、いろんな意味でなかなか飲むのに踏ん切りがつかず、冷蔵庫にしばらく保管しようということになった。

で、数日前の夜のこと。なんだかのどが渇いたので、冷蔵庫を開け、コーヒーと勘違いしてプルトップをあけたのがこの”妖怪汁”だったわけでして。

機会があればぜひ試飲されてみてくださいね。

●携帯脳腫瘍


 携帯を使ってると脳腫瘍ができることが多くなるかもってニュースより。
「携帯電話を10年以上使用してきた人は、聴神経鞘腫の発生が、使っていない人のほぼ2倍になっていた」らしい。

 統計的な処理をした研究で、結果は結果なんだろう。でもほんとに携帯電話が原因なんだろうか。
 どんな統計でも慎重な態度でその意味を汲み取らねばならない。

「昔にくらべ最近はビールを控えてる」と院長がいったとき、その意味を慎重に受け取らなければならないのと一緒だ。
 これは間違いのない事実。だけど、不思議なことに酒量は減ってない。いったい何が起こっているのだろう。(注1)

 さて、ここでいかに統計の解釈が異なりうるものかの、例を示してみよう。
 ある頭髪の薄い男性の集団があるとする。その人たちの性向を調べるために、”休日はどこで過ごしますか”と尋ねてみたとしよう。
 回答は、「屋内」、と「屋外」の二つで、結果は「屋内」の回答が多かったとする。

 では、頭髪の薄い人は、内向的だとする結論を出していいのだろうか。(注2)

 もう一つ。これはある本から拝借したもの。
 アメリカのネバダ州では結核患者が多いという。でもネバダ砂漠で知られるように、そこは乾燥している地域で、むしろ結核菌が繁殖するにはつらい環境なんだけど、どうしてだろう。(注3)

 もう一つ、これもある本から。
 太陽に黒点というのがあって、ちょうど11年周期で多くなったり少なくなったりしてる。で、ビートルズの活動がちょうど黒点の活動が活発になるときに一致していた。さて、どうしてだろう。(注4)

 つまり二つの出来事が関係のあるように起こっていても、その理由をいうには、いろいろな場合がありうるってこと。

 ということで、今日のメモのまとめはこう。
 もちろん電磁波の影響も考えなくちゃいけないんだけど、ほかの可能性もあるんじゃなかろうか。それらが否定されたあとで、初めて「携帯脳腫瘍」が証明されると思うのね。

 ただ、「いつまでウロチョロしてるのか」とか「頼んだ買い物は忘れてないか」など、いつも携帯からいわれ続けてる身としては、そんな悪影響もあるような気がしないでもない。
 耳にタコができるくらいだ。頭におできの一つや二つできても不思議ないじゃない。



(注1)ここでいう”昔”は、3時間前のことで、単に酔いが過ぎて酒量が減っているに過ぎない、こんなアホな種明かしだってあるのね。
(注2)もちろんそうかもしれない。でも、植毛のための施設に通っている人が多いことだってありうる。
(注3)マーチン.ガードナー著「gotcha」から。答えは、「結核療養所」がたくさんあるから。
(注4)「ブルーバックス」(講談社)から。もちろん、別々のことがらで、関連なんかない。

●呼称


 最近、院長の体重が増えたことには気付かずとも、患者のことを”様”づけで呼ぶ医療機関が多くなったことに気付かれている方は多いだろう。
 今日目を通していた雑誌に「国立病院等における医療サービスの質の向上に関する指針」(2001年11月)がそのきっかけを作ったということが書いてあったので、ネットで調べると、どうも事実みたい。

●HIV


 HIVの検査が迅速になったということで、検査希望者が増えたというニュースがあったので、検査についてのメモをしようかと。

●薬剤耐性細菌


 抗生剤という薬がある。
 体のなかに入ってきた細菌を懲らしめる薬なんだけど、どんな菌でもやっつけられるわけではない。それどころか、うまくその効果をかわすような細菌も出てきた。これを薬剤耐性細菌という。
 そんな厄介ものの代表にMRSAというものがある。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のことで、その英語の頭文字だ。よく分からなくても大丈夫。NCCI(注)がここ直方市の商工会議所の略だといわれてもピンとこない人も圧倒的に多いのだ。
 このMRSAについてのニュースがあった。厄介ものを、厄介じゃないものに変えることができるかもしれないという内容。

 まずメチシリンについて説明しなければいけない。一目で分かるのは、5文字のカタカタということだ。
 これ以上の説明は、ここでは必要ないだろう。

 それよりも、抗生剤についての説明の方がより役に立つだろう。一番身のためになるのは、このメモを見るのをたった今やめることだろうけど。
 世の中で忌まわしいものの代表として、まっさきに思いつくのはお金だ。必要なときは手元になく、いらないときも懐にない。もちろん、すぐ近くにいる女性より忌まわしさは劣るが、すぐ近くにその女性がいるので、これ以上の言及はできない。

 で、財布が忌まわしい細菌だとしよう。この財布の機能をなくすのが抗生剤だ。そのやり方にはいろんなものがある。財布ごとグシャっと壊してしまう。皮を腐らしてしまう。お金を抜いて、クリニックの前に置いておく、などだ。
 チャックを壊してしまうというのも一つの手であり、、ある種の抗生剤はこのチャックを壊している。だけど、MRSAはチャックに鍵を掛けて抵抗するようになった。まぁ細菌は細菌で、殺されないよういろいろがんばってるわけだ。もちろん院長も毎日の毒味は忘れない。

 今日のニュースは、ある物質がどういうわけか、この鍵を壊して、またチャックを開くようにするみたいだ、ということらしい。
 でもね、仮にこの物質がいつの日か、臨床に用いられるようになっても、また細菌もがんばって生き延びるすべを獲得するのに違いない。

 余談だが、こうした細菌と薬のようなイタチごっこは実社会でもよくみられる。
 クリニックではお金を消費することを「散財」と呼ぶ習わしがあった。カルテ用紙一枚でも、財がない以上、散財なのだ。それがいつの間にかソファを購入することを「散財」と呼ぶようにしむけられた。
 それから注意深く、散財を監視していたのだけど、やがて小さくても光輝くものを買うことを散財と呼ばされるようになった。
 クリニックには負担がかかるだけで、いわば厄財なのだ。

 実社会にもこうした、厄財耐性妻菌がいることに、みなさん、お気づきだろうか。


(注)Noogata Chamber of Commerce and Industry の略だそうです。

●フェチ


 昨年の10月末の新聞報道より。大分県の40代の男性が女性用のクツを盗みまくっていたらしい。それも左足のクツだけだという。

 どのくらいの罪になるか知らない。あるいは、もう社会復帰されていてこのメモを読まれてるかもしれないし、とやかくいうつもりはないけど、いろいろ考えさせられるとこがあって。

 いわゆるクツフェチというわけね。このフェチという言葉、ここにも書いてあるように広義には 「モノマニア」 的な使い方をするようだけど、どちらかというと性的なニュアンスの方が強いような気がする。

 で、思い出したこと。スポーツジムで知り合あった20代の女性。普段はメガネかけてないんだけど、ジムでひと汗かいたあと、メガネをかけてたのね。で、「似合うね」ってボクが声をかけたところ、彼女の返事はこう。
「彼がメガネフェチなの」
 きっとあれからデートだったんだろう。彼の性的嗜好の一端が披露されたわけだけど、全くさわやかないい回しだった。
 まぁ性的なものであれ、そうでないものであれ、人に迷惑さえかけなければどんなものに興味を抱いても問題ないと思ってんだけど。

 もちろん盗みや暴力につながるものは絶対にいけないのは当たり前。
 仮にクツの臭いが好きなら好きでいいから、ちゃんと廃品回収かなにかで集めなさいっての。

 でもこの男性、なんで左足にだけ興味を示したんだろうね。いろいろ考えたけど、よく分からない。

 ひょっとすると、盗んだクツを履いて部屋のなかを歩きまわるのも好きだったんじゃなかろうか。手をまっすぐ伸ばし膝をきちんと上に上げ、決して広くない部屋のなかを元気にグルグル行進し続けるの。

フェチ、に、フェチ、に、って。


一緒にやりたくなった人は、盗んだクツを履いた足を踏み込むときが「フェチ」だから、間違えないでね。
それと、もし記事の主人公の方がごらんになっていて、事実と違っていたら訂正するので連絡してください。 

●中毒


 医療機関のタバコの分煙状況を厚生労働省が調べるという。
 とうとうお上が動き出した。少し遅いんじゃないかという気がしないでもないけど、その絶大なる権力でタバコの副流煙の実態を明らかにしてほしい。
 ついでに、田舎の弱小クリニックの患者も増やして欲しい。

●心筋梗塞


 心筋梗塞を症状が出る前から察知して救急体勢で応じてくれるという研究が進んでるらしい。なんでも携帯電話を利用したサービスで、8分から20分前に分かるという。
このニュースを理解してもらうために、まず心電図の話をしなければならない。ならないけど、説明するには複雑すぎるので、一つ小咄をしようかと。

 病院で患者が急変した。医者が心電図を取ると、まったく動きのない一本の線が出てくるだけ。それを見て、医者はこういった。
「死んでん図」

 たちの悪いジョークだと批判するむきもおありだろう。出来の悪い冗談だと非難される向きもあるだろう。
 だがあらゆるものに真理は宿るものなのだ。いま手にしているコップにも、ビールが宿っている。
 このジョークがお分かりの方は、正常の心電図は一本の線じゃないということを理解されているはずだ。つまりいくつかの山があるのが普通の心電図というわけだ。

 これで心電図のことは十分理解して頂けたはずで、最初のニュースに戻ることができる。
 この心電図の山が心筋梗塞を起こすときに、ちょっとした変化を起こすことが分かっている。今はにこやかにビールを注いでくれてる女性も、ときどき気分が変わるとちょっとした変化が顔に表れる。それと一緒だ。

 で、この変化は時間を追ってくと、いろいろ変わるんだけど、梗塞を起こした直後の変化はまた特別なものがある。これを超急性期の心電図といい、これを携帯で拾って、ピッピッとしかるべきところへ送ってしまおうというアイデアらしい。

 確かにすばらしい。チョーすばらしいけど、そんなのはいつも経験してる。
 今夜はこのまま飲み続けていいのかどうか、親しい女性の雰囲気で聞かずとも分かるのだ。ある一定の量以上飲んではならないということが。
 それも20分程度の前のことじゃない。栓を開けた直後に女性の顔を見れば分かるのだ。
 これを親近拘束という。

●プリオン


 BSE(狂牛病)問題がぶり返しているようで、今日のメモは、この病気を起こすタンパク質、プリオンについて。

 生き物が増えて行くには、遺伝子というものが必ずいる。この遺伝子、なにをしてるかというと、タンパク質を作り出してるのね。たとえばヒトなんかもある意味、タンパク質の塊で、すべて遺伝子の命令で作り出されるタンパク質で、日々自分自身を作り出してるわけ。

 でもプリオンというタンパク質はちょっと違う。もちろん最初は遺伝子に従って作られるんだけど、あるときひょんなことで形を変えてしまう。それからは、ちょっと態度が変わってくるのね。
 つまり、少し固くなって、ほかの柔らかなプリオンに絡んでいくわけ。絡まれた柔らかなプリオンは、仕方なく固プリオンと同じ型にされてしまう。それだけじゃなく固プリオンになったプリオンもまた、他の柔なプリオンに絡んでいき、自分と同じプリオンにしていくわけ。そうして増えた普通とは違うプリオンがたまっていって、やがていろいろ病気を起こすということになるんだけど。

 遺伝子が関与しないでタンパク質が増えていくというのは生物のなかでは不思議すぎるほど不思議な現象で、このプリオン見つけた人、ノーベル賞もらったぐらい。

 でも、こういう自分の型を人に押しつけようっていうタンパク質、ここだけの話、プリオンじゃなくてもほかにもあるのよ。
 自分の考えを無理矢理、押しつけるタンパク質とか、自分が気に入った味を強引に押しつけるタンパク質とか、いろいろね。


スタッフ「院長、それって本当にタンパク質の話なんですか」
院長  「まぁ長く生きてるといろんなタンパク質に出会うからね」
スタッフ「『考えを無理矢理押しつけるタンパク質』なんかイメージできるけど、『味を強引に押しつける』ってどんなカンジですか」
院長  「ダイエットに励んでいるときに、『ちょっと食べてみなさいよ。まろやかで、甘さ、たップリオン』、って押しつけるカンジ?」



人生、長いか短いか知りませんけど、そんなタンパク質に出会ったことありませんか。

●コエンザイムQ


コエンザイムQというのが、最近流行っているらしい。
 体内の酸化を押さえるのに一役買っているとのことで、いくつかのデータを見るとそれなりに効果がありそうなのね。酸化というのは、体の錆。それが付かないようにするらしい。
で、このコエンザイムQについて少しメモしてみようかと。スワヒリ語はよく知らないので、英語で書くとcoenzyme。”co(コ)”とは”補”うという意味で、”enzyme(エンザイム)”は”酵素”を意味する。つまり補酵素という意味になる。

 で、まずこのエンザイム=酵素というやつから。
 細胞の中には何千という化学反応が起こっている。化学反応というと難しそうだけど、一言でいえばものが引っ付いたり離れたりしてるわけね。それをうまくやってのけてるのが、酵素なのね。エロイム、エンザイム、といいながら魔法のようにやってしまう。

 もう少し丁寧に説明してみよう。
 たとえば小学1年のときに隣のクラスにすてきな女の子がいるとする。貧乏医院の院長というわびしい将来が待っているとは知らずに、その少年はほのかに恋心を寄せる。だけど、告白できない。幼いときから腹黒かったから、白を告げられない。

 そこへ現れるのが少年のアホ友。なんとかくっつけようと努力してくれる。で、うまくくっつけば、酵素の役割を果たすってことになるんだけど、そうはいかない。
 給食時間のこと。弁当を食べ散らかしたあと、なにをトチ狂ったかアホ友は隣のクラスへ走っていったのね。で、やったのは教壇に立ち、大声で人の恋の告白。彼女も少年も羞恥心の渦のなかに埋もれてしまい、結局はかない恋いと終わったわけで。

 で、このアホ友の弁当に当たるのが、補酵素ってわけ。つまり別に飯を食わなくても、隣の教室へ走れたんだろうけど、弁当のエネルギーがアホさ加減に勢いをつけたのは確かだろう。

 ということで、補酵素の働きがよく理解してもらえたかと思う。
 この補酵素が体の錆を取るものに元気を与えるというのが、コエンザイムQというものなのね。

 え、じゃあQってなにかって。
 あれですよ、あれ。
 昔を思い出したときに胸をよぎる、あのキューとした感じ…。


この補酵素、実は昔から心臓の薬として使われていたものでして。それはさておき、心の錆も取れたらいいのにねぇ。

●マイナスイオン


 こんなときがいずれやってくることは覚悟していた。税金と一緒で、嫌なことは必ずやってくるのだ。
 ことのきっかけはマイナスイオンについてスタッフから質問されたことにある。
 いわく「ちまたでいうマイナスイオン効果は、健康にいいんですか」。

●四文字熟語


 人から聞いた話。
 人に四文字熟語をなんでもいいからいってもらうのね。自分でも一度やってみると分かるけど、すぐなにか出てくるはず。
で、「ほかには?」と考えてもらう、あるいは考えてみて。
 きっと最初の熟語より少し思い浮かぶのに時間がかかるじゃないだろうか。まぁすぐ出てくるかどうかは関係ないんだけど。

 なにか思いつきました?
 じゃあこれをクリックしてみて。

●ナンバーディスプレイ


 ナンバーディスプレイがクリニックにやってきた。
 この電話についてご存じない方のために説明すると、ナンバーがディスプレイされる電話だ。略してナンバーディスプレイという。

 思い起こせば、幼い頃から返事だけははっきりするようにしつけられてきた。せめて、元気よく返事できる大人になって欲しいという、アホな我が子を持ったせめてもの親心だったのだろう。
 おかげで夜の街のカウンターのなかの知らない女性にも元気にあいさつできるようになっている。

 でもね、世の中にはあいさつができない人がいるのね。大人だか子供だか、女性だか男性だか分からないけど、電話をかけてきても黙ったまま。

 数年前のことだけど、数週間に一度、診療時間中にそんな電話がかかることがあった。
その電話の主は、しばらく黙ったあと、「トロを出していいか?」と明らかなオヤジ声で訊いてくる。ときにはあえぎ声も混じっている。”トロ”という医学用語は聞いたことはないけど、どうも男性特有の”排泄物”を意味しているようす。
 一方的な会話で最初スタッフも気味悪がっていたけど、なにが起こるわけでもなく、そのうち受話器を置いたままにして、仕事をしているうち、いつの間にか切れているなんてこともあったりしてた。

 でも繰り返されると、なんとなく頭に来るもので、あるときスタッフが受話器を取ったあと、気づかれずに交代し、しばらく聞いたあと、「バカヤロ」って怒鳴りつけてやったのね。
 それでもしばらく間を置いてかかってきてたんだけど、そんなことを2,3回したあと、ようやく懲りたのか、かかってこなくなった。

 まぁ今後も、あまりそんな方たちと知り合いになるのもどうかと、遅ればせながらこの電話を入れたわけで。


スタッフ「じゃあ、そんな電話がかかったら、ディスプレイされた番号に電話するんですね」
院長  「そう」
スタッフ「で、なんていうんですか」
院長  「女の子の声で、『今かけまチたか』、と」
スタッフ「なんで女の子?」
院長  「気を許すだろ」
スタッフ「で?」
院長  「無邪気に話し続け、最後に『バカヤロ』と叱る」
スタッフ「なるほど。お転婆娘を装うわけですね」
院長  「そう、『おテンバ−です、プレイ』」
スタッフ「…相手も院長と知り合いにならなくてホットしてるかと」

●箴言


 よその病院に手伝いに行ったときのこと。診察デスクの前にカレンダーがあったのね。地元のJAの名前が一番下に書かれている。いままでも掛けてあったんだけど、昨日はヒマだったんで改めてゆっくりと眺めてみた。
 上に風景写真があり、下の方に11月の日にちと曜日が並んでいる。で、そのなかほどに「善行は必ず自分に返ってくる」という言葉が印刷してあった。
 必ずしもそうでもないんじゃないかなぁとか思いながら、じゃあ12月は、とめくってみると今度は、「永遠の輝きは心のなかにこそある」と書いてあった。

 いわゆる箴言(しんげん)というやつだけど、一体これって誰がいったのかなぁと思ったわけで。
 カレンダーのどこを探してもその旨は書かれてなかった。一番最初の表紙あたりに書いてあったのかもしれないけど、10月以前のページはもう破り捨てられていて今となっては分からない。

 でも、この箴言、なんとなく野暮ったい気がするんだよなぁ。ローカルなカレンダーにみたいだから、あるいは印刷屋のオッチャンあたりが、思いついた言葉を適当に書き込んでいたということとか、ないんだろうね。


院長 「なんかショボくない、この箴言」
印刷屋おやじ「なんか疑ってンの」
院長 「いや、別に」
印刷屋おやじ「いやその顔、ぜったい疑っている」
院長 「そんなことありませんって」
印刷屋おやじ「ひどい。この箴言、シンゲンに考えたのに」
院長、おやじ 「…あ」


ちなみに、こんな箴言はどうでしょ?

●実感年齢

  自分がいくつだったか、ときどき忘れるようにしてるので、あまり関心がわかないニュースだけど、首都圏に住む男女約400人を対象にしたある調査で、「自分はまだ若い」と感じている人たちが多いらしい。 
 その傾向は年齢が増すにつれてひどくなるという。

 でね、読んでて、ちょっとした疑問が。
 というのはあなたの年齢では、こう感じるんですよっていう基準がなければ、果たして若いのやら、年食ってんのやら評価できないんじゃなかろうか。でもそんなのないよね、きっと。
 ”もうすっかり酔ってしまった”というときは、少し酔ってる自分を知ってるからいえることで、生まれて初めてお酒を口にして酔ったときには、そんな評価はできないはず。
 年齢も一緒で、実際にその年齢になるまで、”体感”することなんかできないはずだから、どうしてその年齢の自分に対して、若いとかそうじゃないとかの評価を下せるんだろう。

 ひょっとすると、年を取るにつれ、そういう風に感じるなんらかの仕組みがあるんじゃなかろうか。

 その仕組みを裏付ける可能性の第一は基礎代謝。院長が生きて行くにはビールがあればいいけど、人が生きて行くにはある最低以上のカロリーが必要。それを基礎代謝というんだけど、それは年齢とともに徐々に低下していく。グラフを見てもらえば一目瞭然で、この線の滑り台を若い頃はさっと下っていたけど、年取るとゆっくりに降りることで、自分の年を遅く感じるということはないだろうか。

 第二に、よくいわれることだけど、人それぞれの一年の期間は、それまで生きてきた年数分の1ということになり、年を取るにつれ小さくなっていく。つまり時間の歩みがゆっくりとなる。

 第三には若くあろうとする意志だ。いつまでもがんばろうとする意欲が自分の年を若く感じさせているんじゃなかろうか。


スタッフ「一つや二つの理屈じゃだめなんですね」
院長  「少し根拠が弱くなる」
スタッフ「三つの理屈を張り巡らせるわけですね」
院長  「そうそう」
スタッフ「三重に張り巡らせる」
院長  「そうそう」
スタッフ「三重に張る」
院長  「そうそう……って、みえっ張りっていいたいのね」
スタッフ「そうそう」


 まぁ見栄っ張りでも、若くあろうとするのはいいことか…な?

●ノーベル賞


 ノーベル医学賞にニオイの研究が選ばれた 。そもそもニオイというのは、ニオイの分子が鼻のなかにある受容体というところにくっついて、それが電気的な信号となって脳に伝わり起こるもの。
 その受容体は1000ほどあるという。ところがヒトはおよそ1万のニオイをかぎ分けてるらしいのね。
 じゃあ、数が足りないぞってことになるんだけど、秘密はそれぞれの信号が組合わさることで、いろんなニオイに対応してることが受賞者らの研究で分かった。

 ほかの研究者の表現を拝借すると、”バーコードのように”認識しているという。つまりそれぞれの受容体からの信号の組み合わせだけでなく、さらにその強弱の組み合わせをもニオイの情報として納められているというわけ。
 それだけでなく、ニオイと記憶の関係も、この研究で徐々に解明されつつあるというのが受賞の理由みたい。


 で、思い出したこと。知人のお母さんとその高校生の息子さんの話。
二人でテレビを見てると、カップラーメンのCMが流れていたらしい。テレビのなかの女性がおいしそうに麺を口にする。それと同時に、「ニオイを嗅げる新発明のコマーシャルです。画面に顔を近づけてください」という内容のナレーションが流れたそうな。

 これはすごいと二人はあわてて一緒に画面に顔を近づけた。で、ニオイを嗅いでいたら、「ウソです」というナレーションが流れたという。
 二人は当然のことながら怒った。この辺りの方言で、「馬鹿にしている」ということを意味する、「馬鹿にしチョー」をそのあと、二人で連発し続けたそうな。

 うーん、分かる。人生をまじめに素直に生きてきたものとして共感できる。まじめに嘘をつき、素直にホラを吹いてきたものとしては、そうしたCMは許し難い。
 でも、画面に顔を近付ける前に、もうちょっと相談してもらってもよかったような気もする。


院長 「彼等が画面をクンクンしてたときもバーコードは出てたんでしょうか」
研究者「もちろんです」
院長 「どんなバーコードですか」
研究者「必死にニオイの正体を暴こうとしているバーコードです」
院長 「……ひょっとして、アバーコードしてる、バーコード?」
研究者「そう」
院長 「……」
研究者「ちょっと臭い?」


そういえばこの話、どうなったんでしょうね。

●ハナス


 話しかけているとき、子供が目をそらすのは”考えている”からだというニュースより。
 むずかしい質問をすれば、子供は目をそらすという。だから「人が話してるときは、目を見なさい」というのは、間違いだというのが研究者の意見。

 でもなんだか違うような気がする。確かにものを考えるとき、子供は目をそらすのかもしれないけど、「人と話するときは目をみなさい」というのは、しつけというか、礼儀の問題じゃなかろうか。相手のことをちゃんと気にしなくてはだめですよ、というのが、この注意のいわんとしてることじゃないかと思うのね。

 で、思い出したこと。中学生の頃、この田舎町の商店街を自転車で通っていた。近視が少しあったけど、メガネを掛けるほどでもない。ただ遠くのものを見るときは、少し凝視しないと見えづらい視力だったので、そのときも目を凝らして運転していたのだろう。
 前方から歩いていた高校生ぐらいのお兄さんが、突然、前に立ちふさがり、自転車の走行を止めた。

 で、顔をグンと近づけ、青年院長の襟首を捕まえながら、こうおっしゃる。
「お前、ガンつけただろ」
 か弱き青年院長はなにがなにやら、トンと分からないまま、とにかくお兄さんをにらみつけたつもりは毛頭ないことを訴えるだけ。周りに通行人がいたこともあり、お兄さん、それで気が済んだのか、襟首から手を離し黙ったまま立ち去っていった。

 きっと「目を見られたら、話しなさい」って悪い先輩から教えられてきたんだと思うけど、事態が過ぎ去ったあと、なんとなく毅然とした態度を取れなかったオノレがなさけなくて。


子供「院長、結局どうしたらいいんですか」
院長「話しかけられたら、目を見なさい」
子供「分かりました。じゃあ、目を見ないときは、話しかけられないんですね」
院長「そうとも限らない。相手が勘違いして目が合ったと思う場合もあるからね」
子供「そのときはどうするんですか」
院長「目を見つめながらこういうんです。『離しなさい』」 

●睡眠障害


 睡眠障害の治療は、まず睡眠薬を出すんじゃなく、生活を改善させることで随分よくなりますよ、という院長らへの忠告的ニュース
 生活の改善はこんなの。

(1)通常の時間にベッドに行き、朝に起きるように心がける。
(2)睡眠とセックスの時以外にはベッドは使用しない。
(3)30分以内に眠れなかったら本を読むなどの静かな活動をする

こうしたことの方が、睡眠薬より効果が高かった。それだけじゃなく、この改善に睡眠薬を加えても大した効果は期待できなかったらしい。
ちなみに睡眠するまでにかかる時間が減少した割合は生活改善では52%、睡眠薬では僅かに29%だった、という。


 実はこのニュース、有料で配信を受けているメールマガジンからのもの。ごくごく端折ったかたちで内容が紹介してあり、詳しく見たければリンク先を教えるから金払えってわけで、しぶしぶ、年のお支払いしている。

 で、今日のを読むと、要約だけでより詳しい内容はまたそこからリンクされているところへ行かなくてはならない。メールマガジンとは全く別の経営体が運営しているもので、それから先は、これまた有料で、一件につき数ドルの支払いが必要となっていた。

 でも今日のメールマガジンの内容はどういうわけか、ちらりとその先の数ドルの内容とおぼしきものが書いてあったのね。
うーん、どうしよう、と一瞬固まったけど、やがて、手は科学ニュースに書かれていたものをタイピングし始めていた。
というわけで、大文字のとこは、そのニュースに書かれていたものを引用している。

 で思い出したこと。高校生の時分、夜遅くまで起きてごそごそやってたためか、なかなか寝付けない日々が続いていた。でも若いから数時間の睡眠でも翌日はケロッとして過ごすことができていたのね。

 で、ある夜、ベットに入ったときのこと。いつものように頭が冴えて悶々としていると、横に誰かが立っている。深夜もかなり遅かったのに、電気を消した部屋に誰かが立っている。
怖くなって布団を頭からかぶり、様子をうかがう。その姿は見ることができない。だけど、そばにいる気配はちゃんと感じるのね。黒い服を着てじっと見つめている。

 その人物、やがて布団の上に乗ってきて、胸を押さえつける。怖くて声が出ない。声を出そうとがんばっても、のどに言葉が詰まる。
人物はずっと体重をかけ続けている。どうしてこんなことになったのか、どうしようか、今からどうなるのか。
 恐慌状態に陥りながらも、そんなことを考えているうちにいつの間にか眠入ってしまった。で、気づけばごく日常の朝。

 いわゆる”金縛り”にあったわけね。
 まぁこんなことがなくても、睡眠と生活習慣というのは密接に絡んでいることは、容易に想像できること。

 確かにいわれてみれば安易に睡眠導入剤を処方しているかもしれない。生活から睡眠障害を見なくちゃいけないんだなと、反省させられたニュースでもあるわけで。


院長  「実は大人になっても金縛りにあったことがある」
スタッフ「怖いですね」
院長  「いつも女性がそばに立っている」
スタッフ「怖いですね」
院長  「それほどでもないだろうとタカをくくってると、金縛りに会う」
スタッフ「怖いですね」
院長  「請求額の高さに、レジで一瞬固まってしまう」
スタッフ「…って、お店でお金縛りに会ってるわけね」

今日のメモも、数ドルのお金縛りに会って、こんなカンジになりました。

●イグノーベル賞

 
 イグノーベル賞というのがある。英国のハーバード大学の人が考え出した賞で、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられるもの。ネットで調べるといろいろヒットするので、ぜひ見ていただければ、いいかと。
 ちなみに、いままでに、「ハトに嫌われた銅像の化学的考察」とか、犬と会話のできるバウリンガルなどが受賞しているので、その傾向が分かろうというもの。
 で、今年の一つは、こんなの

 心理学の研究に与えられたもので、題して「群衆のなかのゴリラ:動的な事例に対しは、うっかり盲目状態になる」。
ボランティアの人に、バスケットボールを投げ合っている人たちのビデオを見てもらって、何回やりとししているのか数えてもらう。で、ほかになにか見えなかったと尋ねる。奇妙なことにゴリラスーツを着た女性が画面の中で歩いているのに、ほとんどの人が気づかず、他の人より余計に数えるように言われた人たちは、ゴリラを見たということさえなかった。

「Perception」、日本語で「知覚」という雑誌の28号1059ページに掲載されているとのことで、先のリンク先にある文中の”video”をクリックして見ると、どんなことやってたのか、すぐ理解できる。ただし7MB。料理中やお風呂中の方は、お湯が冷めるかもしれないので、そのビデオでGIFを作ってみた。それでも4KBあるけど、よろしければどうぞ。

 で、実験のことだけど、確かにそんなことがあるかもしれない。というのは、以前から不思議に思ってる現象があるのね。
電話帳で電話番号を調べるとき、小さな文字が並んでいる、通常の欄に目を通しているとき、宣伝のために大きな字で書かれている欄には、どういうわけか目が行かない。少し字が大きいだけでも、つい飛ばして読んでしまう。ほんと不思議なんだけど、たくさんの小さい文字を追っかけ終わったあとに、「ああ、こんなとこにも電話番号が書いてある」ってな具合に気づくことも。

 ほかの人にもそんなこと、あるかどうか知らないけど、なにかに集中してると、それからはずれたことには、うっかり気づかないようになるという点で、なにか似てるような気がする。

 でもまぁ、よく考えると、さすがにこの研究はどうなんだろうね。あんな大きなゴリラが分からないなんてことがあるんだろうか。
あるいは、ボランティアの人たち、気づいてても気づかない振りをしてるだけとか。つまり、ボランティアの人たちは、どんなつまらない研究でも相手をおもんぱかる気持ちを持っているってのが、研究から導き出される結果とかはないんだろうか。


院長    「電話帳で実験してみたいんですが」
ボランティア「分かりました」
院長    「最初の実験になんとか似せるため、ゴリラスーツを着てもらいます」
ボランティア「分かりました」
院長    「手もゴリラスーツで、それで数字を追いページをめくってください」
ボランティア「分かりました」
院長    「電話帳の最初から最後まで目を通していただきます」
ボランティア「分かりました」
院長    「疲れたら、途中で逆立ちしてもらいます」
ボランティア「分かりました」
院     「…なんでもするんですね」
ボランティア「分かりました?」

●イカ天


 お好み焼きやさんのメモ。往診先の隣の店で、いつもいい匂いが漂っている。
で、つい2週間前初めてのれんをくぐってみた。普段の往診はお昼時で白衣姿でやってんだけど、その姿で食堂に入るのもいかがなものかと遠慮してたのね。でも、そのときは他にも用事があり私服だったので往診のあと、思い切って入ったのでして。

 スポーツ新聞やマンガ本が棚に無造作に重ねられ、テーブルが三つほど置かれている小さな食堂。先客も二人いて、主のおばちゃんが陽気にオーダーを訊いてくる。
 壁に貼られたメニューを見るとかなり安いお値段。そのなかの肉皿うどん350円を頼んだんだけど、味もボリュームもまずまずで、まぁなにか機会があればまた来ようと、貧乏グルメの頭のなかにインプット。

 で、先週の金曜。そのときも私服で往診に行ってたので、またまた匂いに誘われのれんをくぐる。前回と同じ肉皿うどん350円なりを注文したんだけど、客はだれもいなかったためか、おばちゃんが「イカ天を入れとくね」とやさしそうに声をかけてくる。ああ、ボクを覚えてくれてたんだって、うれしくなり喜んでお願いしたわけ。
 おばちゃん、なんでもダイエーファンらしく、そばに置いてあったスポーツ新聞を材料に、マジックの話とかボクの知らない選手の話をしながら手を忙しく動かし続ける。
 やがて出来上がった皿うどんに入ってたのは、駄菓子屋さんに売っているようなお菓子のイカ天。
 まぁ決して皿うどんとマッチした味というわけではなかったけど、そんなことよりおばちゃんの気持ちの方がうれしいよね。

 で、お勘定の段になると「はい、400円」といわれる。もう一度壁の値段表を見ても確かに肉皿うどんは350円なり。ちょっと不思議に思ったけど、でもまぁおばちゃんの気持ちをくんで、なにも詮索せず払った。

 きっと350円が400円になったのは、やはりイカ天が入ってたためだろうね。
 味はヒットじゃなかったけど、イカ天は、つイカテンだったのね。

●変換


 ワープロの変換ミスのコンテストというのがあったそうな。確かにおもしろそうなアイデアだよね。
 今でこそ長めの文をかなり正確に変換してくれるけど、ちょっと前まではそうはいかなかった。
で、変換の能力を見るのにいつも試していたのが、「にわにはにわ、うらにはには、にわとりがいる」というやつ。もちろん”正解”は、「庭には二羽、裏庭には二羽、鶏がいる」で、うまくそんなのに出会えればゲットしようと、電気やの店頭に並ぶワープロを見るといつもやってんだけど、今まで一発で変換してくれるモノにお目にかかったことがない。

 結構有名な例題だから、他の人なんかも試してるんじゃないだろうか。だったらそれだけでもきちんと変換できるようにプログラムしておけば、売れるんじゃないかと思うんだけど。まぁ、少なくとも一台は売れるはず。

 で、問題のコンテストだけど、こんなのはどうでしょ?

 橋本さんがワープロの性能を試してたら、こんなん出ました。
「裏に歯、ニハニハ」
 それを見た小泉さん、腎臓を悪くして医者に行ったら、こんなんいわれました。
「腎性いろいろ」

 とまぁ秋の夜長、一人遊びができますよってことで、今日のメモ、秋涼。