●ドック


 ここ数週間、どうも胃のあたりの鈍痛が続いている。少なくとも胃炎は間違いなくありそうなんだけど、にも関わらず忘年会と称し深酒する日が続いている。

 医者の不養生とはよくいったもので、人さまの病気のことはあれこれ考えるけど、自分の健康のこととなると適当な診断つけてやっている同業者って多いみたいね。ボクもいままでドックなるものを受けたことがないわけでして。

 でもね、「人さまの病気」の「人さま」には、どうも同業者は含まれてないような気がしてる。ついでだからメモしておくけど、この業界ってこんなこともあるのよ。
 もう十年以上も前のことだけど、ある病院の医局で急に胸が痛くなったことがある。こりゃ狭心症かも、とか思いながら冷や汗かいて数分の間ソファに横になってたんだけど、実は休憩時間でまわりには医者が数人いたのね。
そのときはきっと胸膜のちょっとした異常があったらしく、しばらくして落ち着いたからよかったものの、周りの薄情者は、「どうかしたの。心電図でもとれば」ってなのんびりしたカンジで言葉をかけるだけだった。

 つい最近も知り合いの先生がゴルフ中に胸が痛み出し、これはホントの急性の心臓病だったんだけど、そのときの状況はまわりにいた同業者もいよいよ事態が悪くなるまで傍観していただけだったのね。結局救急車で搬送される事態になっちゃったけど。

 ようするに同業者同士が集まっていると、なかの一人が急変しても、まわりの人は「医者なら自分の状態ぐらい分かっているはずだ」っていう意識が働くみたいなのよね。なにか処置とか検査とか必要なら自分で決断するだろうってわけ。

 そういう事態にもならないために、早めに検査でも受けてみようかしら。
 診療の手伝いに行っている病院で、胃を中心に”プチドック”ってのやってるみたいだから、冗談抜きで一度相談してみようかと。


院長 「プチドック受けたいんですが」
担当者「院長の場合はプチドックじゃだめですね」
院長 「え、重い病気でもありそうですか」
担当者「はい、中ぐらいのドックを受けてください」
院長 「どういうことですか」
担当者「アルコール中ドックです」


まぁ、まずお酒を控えることからだね。

これは冗談ではなく、確固たる決意でメモしてます。断固として止めるではなく、控えるにとどめようと決意してます。

●静電気


 どうしてだか、冬場はビリと来てしまう。とくに車から降りるときがつらい。乾燥した季節の車は、怒ったときの女房そのものだ。怖くて触るに触れない。
 いつぞや、ホラー映画テレビ版「リング」で、ギバちゃんが黒革ジャンパーで、これまた革張りの4WDの運転席を降りたときを思い出す。開いたドアをしっかりと握ったまま、静電気なぞ絶対にないという堂々とした態度で降り立ったのだ。静電気てんこもりの状況なはずなのに、平気な顔をしてた。

 ギバちゃん、えらい。なるほど、そんな手があったか。ビリと来る前から車に接していれば、地面に足がついたとき、静電気は流れていくな。
 ということで、さっそくギバちゃんのマネしてみたけど、どういうわけか、ダメだった。理屈はあってるような気がする。だけど、車の屋根を持ったり、下の金属部分に触れたりしたバージョンアップもいくつかやったけど、ギバアップするしかなかった。ついでに前髪垂らした女性が迫ってきたのを思い出す。女性の怖さは髪の毛の長さじゃないことを、心から思う。

 だいたいなんで静電気なんだ。”静粛に”といわれたら、しゃべるやつはいないだろ。”静止画面”は動いてるか? 静電気なら動くな。勝手に人の体のなかを走りまわるな。そう主張したい。

 理屈に合わないことをしてると、院長のように痛い目に会うぞ。そう教えてあげたい。

…ということで、ゴメンなさい。ほら、静電気くんも一緒に頭さげて。

●背部痛


 背中の痛みが慢性化すると、大脳が小さくなるかもしれないというニュースより。
 26名の慢性の背部痛を持つ患者の脳を調べると、大脳の視床というところと前頭皮質という部分が萎縮していたという。

 12月が近いというのもあり、最近少しずつクリニックの大掃除を始めた。レントゲンフィルムの保管場所を変えたり、しばらく開けてない戸棚を整理したりで、結構手がかかっている。背部痛が続くのは、そのせいだと診断していたけど、頭まで障害を受けることになるとは。
 そのうちビールの味も思い出せなくなるかもしれない。そうならないうちに、たんまりと味わっておこうと心を新たにした。忘年会も続くことだし。

 で、その大掃除の際に出てくる”ゴミ”が頭を悩ましている。ちょっとしたプラスチックのケース、植物の水やりの噴霧器、旧式だけどまだまだ動くfaxなどなど。スタッフにいわせると、ゴミなんだそうだけど、どうしてもゴミには見えない。
 まだ使えるのだ。
 今は使わないかもしれないけど、いつか使うかもしれないじゃないか。じゃあ貯金はゴミか? 今は使わないけど、いつか使うかもしれないから大事なんだろ。そう主張しても、聞き入れてくれない。確かに整理ははかどっているから、文句もそれまで。口を出そうものなら、「じゃあ整理してみてください」と反論されそうだし、ゴミ袋のなかに入れられたゴミじゃないものを、ただじっと見守るしかない日々が続いている。


 ということで、背部痛で頭が萎縮し、廃物で、心が萎縮してます、というチョー二日酔い状態でのメモでした。


●ネコ


 クリニックではヒマなときほど、忙しい。なぜならスタッフとの会話がはずむからだ。
 ということで、今日もとても忙しかった。

 そのとき中年のおかあさんスタッフが語った話。もうとっくに成人されているお子さんが、小学校のころネコをもらわないかとのお誘いをもらってきたそうな。
 持ちかけたのは学校のおばあちゃん先生で、なんでもその先生チのネコに子供ができたからいらないか、ということだった。
 スタッフの家にも直接、電話がかかってきたほどだから、よほどもらい手を探していたみたい。

 そのころ、おかあさんスタッフの家には、犬とかうさぎとかいろいろな動物がいたので、おかあさんスタッフは最初反対してたんだけど、お子さんがあまりにせがむので、まぁ子ネコだったらかわいいだろうし、ということで結局、引き取とることになった。
で、お子さんが抱えてきたのは、ペルシャネコのようなりっぱな毛をしたネコ。だけどりっぱなのは、毛だけじゃなかった。体格もりっぱな大人のネコだったのね。

 つまり子ネコが生まれたから、親ネコを引き取ってくれないかという話だったわけ。そのスタッフの方、ネコが天命を全うするまでしっかりと飼われたというんだけど。


 この話、聞いてて、しっくりこない。
 なんといっても子ネコが生まれたとき、普通動くのは子ネコだろ。
もちろん、おばあちゃん先生が少しボケていて、間違って親ネコの話をこの子に持ちかけたのかもしれない。だけど、いちおう先生だから そんなことはあるまい。うちのクリニックでも、疑いの目をしながらもいちおう先生だからそんなことあるまいと、薬を受け取っていく患者がたくさんいる。
 だとすれば先生は、きっと親ネコだといってたはずで、お子さんもそれを納得して家に持ち帰ったんだろう。

 もちろん、おかあさんスタッフはそうと分かっていたら、拒んでいたに違いない。
そうなると、おばあちゃん先生とお子さん、タッグを組んで親ネコを家に持ち込もうとするんだろうか。
おかあさんスタッフの声などまるで聞こうとしない。

 こうしたお互いに心を拒み続ける事態をこそ、ネコにこばんだ、というんじゃないのだろうか。
 謎はつきない。

●宝クジ


 年末ジャンボクジが発売されている。毎年買ってるんだけど、300円以上は当たったことがない。でも、きっといつかくる貧乏生活からの脱却を夢見て買い続けているのね。
 買い求める場所は福岡のY駅前の発売所。そこからは毎年一等賞や二等賞が出てるから、当たらないところで買うよりもなんとなく気分がいいような気がして。

 昨年12月も買い求めに行ったんだけど、そのときのこと。
 発売所のすぐ横の方の路上で、唐津の神社の臨時販売所があった。マスコミなんかでもときどき取り上げられる、宝クジが当たるということで名を知られてる神社なんだけど、なにやらお札(フダ)やらそれに入れておくと神様が舞い降りてくる感じの袋やらの開運グッズが売られてる。

 でも、ちょっと待ってね。
 神社まで足を運んだ人は、運を勝ち取ろうとしたから神様の覚えもよく、宝クジも当たろうというのも納得いくけど、でも神様の方から販売したら、なんとなく違和感があるんだけど。
 だって、あなたにも君にもって神様が運をバラまくと、結局それぞれの人の当たる確率が低くなるからね。


院長 「やっぱ神社にお参りに来る人には、御利益が厚いんですか」
神様 「そりゃそうですね。なるべく宝クジが当たるように気を使ってます」
院長 「路上でグッズ買っても、御利益は一緒ですか」
神様 「宝クジというよりも、どちらかというと、たかがクジというスタンスです」

●走る


 今日のメモは要点がない。なぜなら、酔うてんねぇ。カナでメモると、ヨウテンがないのは、ヨウテンねん。

 ということで、今晩の忘年会では、メモのことが頭を離れず、大ビールを3本、ふぐ刺しを10皿近くしか口にすることができなかった。それでも夕刻バタバタ目を通した記事をなんとかメモにしたてようかと。

 この記事の内容は、ヒトは走ることで、ヒトに進化したというもの。
 今までは、”走る”なんて行為は二足歩行を始めたホモサピエンスにとっては、おまけみたいなものだと考えられていて、別に進化の上では重要な意味を持たなかったらしいけど、どうも走ることで、サルなんかとは違う骨格を作ることができたみたい、ということらしい。
どう骨格が変わったか、いろいろ述べてあるけど、まぁ酔ってなく気分が向いたときにまた読み直してみようかと。


スタッフ「このごろ、記事の紹介、手抜いてません?」
院長  「紹介が上手になってきた、といって欲しい」
スタッフ「それにしても、記事の内容が短かすぎます」
院長  「それはね、簡単にする技術が進化したのね」
スタッフ「なるほど、ハショルことで、進化してるんですね」
院長  「…いつも息、上がってます」


ということで、ヘロヘロです。

●大気圧


 今まで考えられたより、空気は重かったというニュースより。
 なんでも空気中のアルゴンを詳しく測定すると、今まで考えられていたより少し多くアルゴンが分かったらしく、それで空気が重くなったアルゴン、ってなカンジの内容かと。

 そうだったのか。最近、体の重さにばかり注意がいってたけど、空気の重さにまで気を回す余裕がなかった。どうりで体重が増えるはずだ。決してビールのせいじゃなかったのだ。
 ついでにもう少しアルゴンが増えてくれれば、余裕をもってビールに接することができるわけだ。そのときまでに、アルゴン増量記念アルゴーンルを準備しておこうと思う。

 空気の重さといえば、大気圧。ということで、思い出したことがある。
 もう、10年近く前のこと。ある知人の老人からこう質問された。
 テレビの映像で、水族館の水槽の窓が開けられて、見学客がそこから魚にエサを与えていたけど、そんなことはあるだろうかと。

 ご存じの方もおられるかもしれず、そうした水族館というのは、最近チラホラと見かけるんだけど、そのころはめずらしく、見たこともなかった。

 で、どう考えても水槽に穴を開ければ水が出てくるに違いないと答えてたんだけど、老人は、確かにそんな作りだったと言い張る。
その場は結論が出ずに別れたんだけど、数日後、なんとその老人、横に穴の開いた水の入ったペットボトルを作って、持ってきたのね。その穴からボトルのなかの水に指を入れることができて、つまりはテレビで見た水族館と同じものなわけ。

 それを見てると、大気圧と水の圧がつりあえば、なるほど可能かもしれない、というかそういうことで、その穴開きボトルが出来上がってるんだろうと、納得せざるを得なかったわけでして。
 その変わり身の早さといったら、我ながら驚くほど。今思い出せば、ほんと恥ずかしいかぎりのことでして。

 穴があったら、ハイ理解、とはこういうことをいうのね。きっと。

穴があっても、こぼれないようがんばっている水と一緒で、穴だらけの人生、なんとか落ちこぼれずに歩んでいるということで、まぁ親父には納得してもらおうかと。

●チョコ


 チョコレートの成分には咳を押さえる効果があるというニュースより。
 10人のボランティアを対象にした研究で、カプサイシンというチリペッパーに含まれる成分で咳を誘発したとき、チョコレートの成分を飲んでいた人は、ほかのせき止めを飲んでいた人より、咳が誘発されにくかったという。

 この報告には真っ向から反対したい。というのは、ここにチョコレートを食べると咳込む人がいるからだ。別にアレルギーを起こしているわけじゃないんだけど、口にすると、どういうわけか、7割がた咳が出る。

 スタッフからは、「それだったら食べないでいいじゃないか」と非難される。だけど、そうはいかないのだ。
 周りを見渡せば、人生つらいことばかりのものにとっては、甘いモノは欠かせない。

 昨日もそうだ。おやつとして検査室の片隅に置いてあるピーナッツチョコを一口食べてはむせていた。
 だいたい、患者が悪い。チョコでこんなにせき込む医者がいるというのに、なぜクリニックに足を向けようとしないのだ。
 ヒマじゃなければ、チョコなんか手にしないのは分かっているはずなのに、相手にしてくれる気配もない。
こうなりゃ、患者を訴えようかと思ってる。


スタッフ「また馬鹿なことを」
院長  「むずかしい裁判になるかもしれない」
スタッフ「相手にもされません」
院長  「むずかしいかもしれないけど、すぐ終わるはず」
スタッフ「だいたい、なんの罪ですか」
院長  「チョコ罪な、を考えている」

●パネルテレビ


 平板型パネルテレビが急速に進化しているという記事より。

 パネルテレビの技術には、ガスが詰め込まれたプラズマテレビ、液晶分子で構成されるLCD、後ろから映像を映し出す投射テレビなどがあるんだけど、それぞれ一長一短がある。プラズマテレビは画質はきれいだけど、LCDより寿命が短く、消費電力も多い、LCDは大きさの点 ではプラズマに遅れをとっている、投射テレビは明るさが足りないなどなどで、まだどれが業界を征するか定かでない。
 またSEDという”量子トンネル効果”を利用したテレビも開発中だというから、より混沌としている状況らしい。
(ちなみに普及の程度は、リンク先の画像を拡大するとより理解できるかと)

 ウチのテレビは後ろがドンと突き出ている”通常”のタイプ。欠点は、ときどき画面全体が赤くなることで、長所は突き出た部分のどこを叩いても、画面の色が元に戻ることだ。
 小学校低学年で使う跳び箱ぐらいの大きさはあるんだけど、部屋に入ってくる人はだれも飛び乗ろうとしないので、まぁなんとかテレビとして、居間にとけ込んでいるだろう。
 バンバン上や横を叩いても、元気づけているだけのことで、当分、追い出す予定はない。

 そもそもなんで薄いのがいいんだろう。
 頭が薄いのが悪いとは思わないけど、いいとも思わない。薄い胸に魅力がないとは思わないけど、色っぽいとも思わない。つまり、ちょっぴり場所を取る以外は、薄かろうが厚かろうが、さほど違いはないんじゃなかろうかと。

 何十年も前、路地裏で子供たちを集めてやっていた紙芝居の紙の薄さを思い出せば、それはより明らかになるだろう。逆のたとえになるが、あの紙の厚さがたとえ10cmあっても、子供たちの真剣なアホ面にはなんらの変化もなかっただろう。もっとも50cmぐらいあったら、あっけにとられてアホ面がもっとアホ面になっていたかもしれないけど、それはきっとスポーツの観戦になってしまうから、たとえとして成り立たない。

 まぁ理由など構わず、薄さを自己目的化するのもいい。仮に紙のようなテレビが出来たとしよう。でもそのときに生じる重大な不具合に研究者は気づいてない。

 それはこうだ。
 いったい画面の色が変わったときは、どこを叩けばいいのか。ぜひその答えを出してから、開発に望んで欲しいものだ。

居間のテレビ、最近疲れているのか、やたら元気づける機会が多くなっている。パネルテレビがもう少し安くなったら、暇を言い渡そうかとも思っている。結構ジャマだし。

●アルコール分解酵素


 昨日はライブの打ち上げでたらふくアルコールにありついた。
 ということで今日は、アルコール分解酵素についてのメモを。

 お酒に強い、弱いはアルコール分解酵素が多い、少ないで決まるというのは今や常識。それは遺伝的要因ということなのだが、強いにしろ弱いにしろ、じゃあ最初の遺伝子はどこから来たのかということが疑問として残る。どうも日本の場合では、縄文人と弥生人の違いにあるらしい。縄文人は酒を飲んでいたが、弥生人は下戸だったのだという。(参照

 縄文人はいわゆる土着の人種、弥生人は大陸からの渡来人だというのが定説で、以前日本人のルーツをめぐるNHKの特集でもその説に則ってストーリーが組み立てられていた。木の実などを取って慎ましく生活していた縄文人の世界に、稲作や鉄鋳造技術などの高度な知識をもつ弥生人が入っていく。最初は、争いを知らない縄文人を攻撃的な弥生人が次々を襲っていくのだが、やがて共存社会をつくっていくという内容だったと記憶する。あまり上手ではないCGで、鉄製の矢尻が縄文人に次々と刺さり、彼らがばたばたと倒れていくシーンを思い出す。
 ということで、現在の日本人は、縄文系、弥生系、混合系ということにわけられ、アルコールの強い弱いも、どの系に入るかの一つの目安になるそうな。

 でもなんで弥生人は、アルコール分解酵素を持たなかったのだろうか。世界的にみれば、日本や韓国などのアルコール分解酵素をもっていない人がいる民族のほうが少ないようで、むしろなぜ分解酵素をなくしてしまったという疑問のほうが正しいのかもしれない。そしてここまでメモしてると、もう一つ疑問がわいてくる。あとで共存できるようなら、なんで弥生人は最初縄文人を襲っていったのだろう。

 分解酵素の喪失に関しては考えが及ばないが、縄文人が襲われた理由は、ひとつ思いあたることがある。
 酒を飲み交わしていた縄文人たちの場は、盛り上がっていたに違いない。それでもおだやかな連中のこと、静かにどこどこの木の実はうまいとか、あそこの魚は食べられないとかの話で、はしゃぎ合うぐらいが関の山だ。だがいつの世にも跳ね上がり者はいるもの。そいつは酒がまわるにつれ、じょじょに不埒になっていく。弥生人に対して抱いていた畏怖の念もどこへやら。そしてついに、そばを通りかかる弥生人を、踊りながら、こうからかったのだ。

 ヤ−ヨイ、ヤヨイ、ヤァーよいよい、ってな具合にね。



昨夜を皮切りにこれから毎週末、飲みごとが。気を引き締めねば。

●認知症


 痴呆症の新しい呼び方が決まりそうだ。厚生労働省が発表したもので、その名も「認知症」。
 すばらしい。こんなすばらしい名前は聞いたことがない。とても気高くて、近寄りがたい。あまりに近寄りがたいので、残りの医療人生のなかで、できれば使わずにすめばいいと切に願っている。

 認知”病”なら納得できる。心臓病とか肝臓病とか、病気があるところを示す病名になっているから、認知病も認知が悪くなっているという風にとれる。
 でも認知”症”はいただけない。
 ”症”がつく病名を上げよといわれると、すぐに1000ぐらいはそらんじることが出来る院長だから、気づくことだ。でも今日は調子が悪いのか、そのうちの998を忘れてしまった。で、残りの二つをあげてみると、血圧が高い病気の、高血圧症、腰が痛い病気の、腰痛症。

 このように”症”がつく病名というのは、その症状を表しているのが通例じゃなかろうか。血圧症といっても、高血圧なのか低血圧なのか分からないのと一緒で、認知症じゃ、”認知”がいいのか悪いのか、分からない。
 で、痴呆症の代わりに”認知”と”症”という言葉を用いて名前を決めるとすれば、こんな感じ?

院長  「”認知が症”なんてのはどう?」
スタッフ「認知が病気ってわけですね」
院長  「それもある」
スタッフ「ほかには?」
院長  「いつかのメモで深く考察したように、呆けると 2×1 も上手に計算できなくなる」
スタッフ「それで」
院長  「ニンチが4よぅ ってわけ」
スタッフ「…採用されても、口にしたくないですね」

●クレーム


 県医師会の会報というのがある。いろんな情報が載ってるんだけど、そのなかの一つに県医師会へ相談されたことを紹介するコーナーがある。今月号のタイトルは、「医療機関のサービスが悪い」というもの。

 患者からの苦言ということで、こんなことが書かれてあった。
「現在かかりつけの医療機関では、受付開始が9時となっているが、8時30分にならないと入り口の自動ドアを開けてくれない。
 また待合いに置いてあるティッシュも、街で配られたようなポケットティッシュが置いてある。(中略)
 待ち時間にもお茶やお菓子も出してくれない」云々。
 医師会窓口の担当の方が、いろいろ説明したけど、「納得されないまま電話を切られた」そうな。

 とんでもない意見だ。患者のわがままそのものじゃないか。
 うちなんかは、9時から診療だけど、その時刻に患者らしい人影が待合いにあることは、月末ぐらいだ。どこの具合が悪いか聞くと、集金に来たという。
 こちらの具合が悪くなりそうだ。
 もし早く開けて患者が増えるようなら、夜中からでも開けるだろう。そうじゃないから、遅く開けるのだ。いっそのこと、診察券の診療開始時刻を「9時ごろ」と印刷し直したいぐらいだ。こうしたつらさが、この患者は分からないらしい。

 ”待合いにポケットティッシュが置いてある”だって?いいじゃないか。なにを考えて患者をやってるんだ。患者だったら、どんなカミにもすがるのが当たり前だろ。

 ましてやお茶が置いてない?お菓子が出ない?
 とんでもないわがままな人だ。たとえば鉄剤を飲んでいると、お茶は鉄の吸収をジャマするので、ダメなことぐらい、患者歴が長そうだから知ってるはずだ。せめてポカリスエットぐらいがいいに決まってる。

 お菓子もそうだ。これじゃ和菓子か洋菓子か分からないじゃないか。
だいたい、グリコの”ビスコ”が、ビスケットと酵母の”コ”の字をくつっけたものだと知ってるのか。
 グリコのホームページにちゃんと書いてある。
 それくらいお菓子の知識をつけてから文句をいって欲しい。それが理解できれば、ついでになぜ、”コウボスケット”にしなかったのか、グリコにクレームをつけてから、医師会に乗り込んで欲しかった。

 こんなわがままな意見は、とうてい認められない。
 ということで、さっそくポカリ(薄めたやつ)と、和菓子か洋菓子か分からないコーヒー大福くらい、待合いに置くことをスタッフと検討することにした。



結論が出るまで、5,6年かかる予定。

●生活習慣病


 生活習慣病という病気がある。糖尿病、高脂血症、高血圧などのいくつかの病気を指し、以前は成人病と呼ばれていた。
たしかに成人に多い病気なんだけど、どうも成人になるということが原因じゃなく、生活の有り様が病気に関係してるということで、そのうち名前が生活習慣病に変わった。

 そして現在、この病気、どうも肥満を中心として、代謝という根っこのとこでそれぞれの病気が繋がっているようなので、代謝性症候群という捉え方に変わろうとしている。

 で、この代謝性症候群、高齢者では認知障害を起こすかもしれないという記事があったのでメモしておこうかと。
 2600人近くの70台の人を対象にした研究で、代謝性症候群がある人は炎症反応を示す値が高く、認知テストでも障害を認めたという。

 そもそも認知というのは、なんなのか。あるネットの表現を借りると、「認知とは、人間の精神活動における情報処理過程のことであり、この過程には注意機能、照合機能、統合機能、記憶機能などの様々な高次脳機能が関与している」ということらしい。

 うーん、なんだかむずかしい。2×1 の計算もできなくなる、つまりニンチがなにか分からなくなるのが認知障害だと理解していただけになおさらだ。

 でも、まぁいろんなことが分からなくなるということで、手を打つことにするとして、この認知障害には思い出がある。
 診療手伝いにいっている、ある病院の忘年会に呼ばれたときのこと。通い始めてまだ日も浅く、知らない人も多かったので、本人としては、誰彼となく親しさを表現しようと思って挨拶して回っていたんだけど、後日聞き及ぶに、どうも女性だけに接近して、元ダイエー社長になってしまっていたらしいのね。お酒がかなり入ってて覚えてなかったわけ。
 この認知障害、とてもひんしゅくを買ってしまったようで。あるいは、ボコボコにしようという計画もあったやもしれない。

 その後なんとか信頼は取り戻せたとは思うけど、生活習慣には注意をしなくてはならないと改めて反省したわけで。
さもないと認知障害で、”リンチしようかい”なんていう事態も招くなるかも…というメモでした。

これから忘年会シーズン、くれぐれもお酒の上での行動には注意をしましょうね。
なお代謝性症候群は、metabolic syndrome というのを直訳したもので、通常は、メたボリック症候群といわれてます。

●生涯学習


 開業医というと、ゴルフばっかりやっていて、いつ勉強してるのだと、疑問を抱いておられる向きも多いだろう。その通りだ。忙しくてなかなかそんな時間が取れないのだ。夜の街でお酒も飲まなくてはならないし、ときには家族でない方と温泉旅行にも行かねばならない。
 こうした忙しい開業医のため、日本医師会が用意してくれたものに、”生涯学習”というのがある。

 各地で行われる講演や勉強会に参加すれば、幾ばくかの単位がもらえる。夏休みのラジオ体操のようなものだ。
 単位を集めて規定の点数以上をゲットすると、小さな証明書がいただける。とてもありがたく、”よくできました”の桜マークの印鑑が押してあれば、さらに意義あるものになると思う。

 この生涯学習の単位取得に、11月から新しいシステムが導入された。
 一つはインターネットを通じて学習できるというもの。医師会が準備したいろんなネット講座を見ると、単位が取得できる。

 もう一つは医師国家試験の問題を考えつけば、いくつかの単位がもらえるというもの。採用されれば試験問題としてプールされるという。とりわけ開業医にとってありがたいのは、実地面での問題を取り上げてもらえるということだ。

 ということで、ちょっと考えてみたのが、これ。

「ある老人に、”熱が出たらこの薬をお尻に入れてください”と説明して座薬を出した。次に来院したとき訊ねると、老人はお湯に溶かして薬を飲んでいたという。さてどうしてか」
 答えは下に。もちろん投稿しても、”使用外”学習として扱われるだろうけど。


なお開業医像に多少のデフォルメがあったことをお詫びします。多少のうち、”多”か”少”かは医師によって個人差が多いとは思いますが。


答え。”熱が出たらこの薬をお汁に入れてください”と老人には聞こえたから。
これ、実は研修医になりたてのころ、指導してくれた先生が教えてくれた小咄でして。そのときは、座薬だから、”座ってお汁に入れて飲んでた”といわれました。

●ブータン王国


 遠いヒマラヤのブータン王国でタバコが全面的に製造販売禁止になった。世界で初めてのこと。
 首都ティンプーを初め王国ではどこかしこでも、タバコを吸ってはいけないのだ。あの図書館やあの郵便局やあの病院、すべてで禁煙となった。ブータンへは行ったことはないけど、あの本がたくさん置いてある図書館も、あの郵便物がたくさん集まる郵便局も、あの患者がやってくる病院も、タバコは吸ってはいけないのだ。
 罪を犯したものには210ドルの罰金が科せられ、ホテル業者は免許を剥奪される。外国からの人がタバコを売ろうとすると、密輸の罪に問われるという。

 だいたい日本が甘すぎる。人に迷惑をかけないシートベルト非着用を取り締まるくらいだったら、そばにいるものが臭くてたまらないタバコをなぜ禁止しないのか。覚醒剤取締法があるくらいだ。なんで”かぁー、臭せい罪”をタバコに適応しないのか、不思議でならない。

 ここまでメモすると、喫煙者のなかにはいらだちを感じる人もいるかもしれない。彼らにとっては目障りなことを始めたブータン王国に、恨みさえ抱くものも出てくるかもしれない。

 なるほど喫煙者にも権利というものがあるんだろう。だったら、ブータン王国を初め、ブータン日本大使館、ブータン郷土品販売店、ブータン県人会など、思いつくところへ抗議の電話をすればいい。そんな全面禁止という行為は、基本的人権を犯すものだと、訴えればいい。

 鼻であしらわれるようなことがあっても、ねばるのだ。「どうして喫煙の権利を奪うのか」、そう主張し続けるのだ。
 そのうち、相手は嫌気をさして、「電話を掛け間違えてませんか」と言い出すはずだ。
 それでも言い張っていると、静かな切断音が聞こえてくるだろう。

 そのときようやく、喫煙者は気づくに違いない。
 自らの主張が、ブータンの掛け違いだったことに。


外人旅行者、外交官、NGO関係者には適応されないということです。

●血統書


 昨日ペットショップへぶらりと足を運ぶ。
 で、ネザーランド・ドワーフというピーターラビットのモデルにもなったウサギに出会い、連れて行ってもらいたそうな顔をしてたので、早速クリニックにおいで願った。

●排出規制


 二酸化炭素の世界的な”買い取り”が行われるようになったみたい。
 この背景は、地球温暖化を防止するため、地球全体の二酸化炭素の排出量を規制しようという動きがある。
 で、ほかの国へ二酸化炭素を押さえるのに必要なお金を出せば、お金を出した国が、押さえた二酸化炭素の量を出してもいいよ、ということらしい。
 もちろん、お金を出してもらう国はあまり工業化が進んでない国であり、出す方はいわゆる先進国なのね、通常は。

 このやり方には、なんとなく違和感がある。というのは二酸化炭素という”悪”を買って、その分の悪行をするってカンジがしてならないんだけど。
 でもまぁどんな方法であれ、二酸化炭素が押さえられるのはいいことなんでしょうけど。


院長  「実はこの方法、昔からやってるのね」
スタッフ「はい?」
院長  「ビールを空けると二酸化炭素が出てくるでしょ」
スタッフ「はい」
院長  「ビールは買ってくる」
スタッフ「はい」
院長  「つまり、二酸化炭素を買って、その分、大気に放出してる」
スタッフ「はい。酒、寄生ってわけですね」



’06年11月付記。
うーん、読み直したけどよく分からないナ。まぁいいか。

●男性避妊ワクチン


 オスのマウスの実験で避妊ワクチンができるかもというニュースより。
 理屈は書いてないのでネットで調べるとこんなことみたい。
 まず精子は睾丸で作られる。でもりっぱな一人前の精子になるには、睾丸の上にある精巣上体というところで鍛えられなければならないのね。で、その精巣上体の機能をワクチンで一時的にブロックしてやろうというものらしい。
 治療を止めれば、また精子はもとに戻るという。

 避妊という行為は、幸か不幸か、年がら年中発情できるヒトには、大事なことだと思う。生みたくても経済的理由で子を持てない人もたくさんいることだろうし。
 だからより確実な方法が見つかれば、それはそれでいいことなんだろうけど、果たしてこの方法がヒトにもうまくできるようになると、どういったことが起こるのだろう。

 世の殿方の不貞が増えるんだろうか。あるいはエイズを初めとした性感染症が、再び蔓延するのだろうか。
 ただ間違いなくいえるのは、世の”ジゴロ”と呼ばれる男性の活動が、さらに活発になるだろうということ。


院長  「だいたい、名前がよくない」
スタッフ「というと?」
院長  「ジゴロに”励めよ”って声をかけるようなもの」
スタッフ「というと?」
院長  「名前が、働けよ、っていってるでしょ」
スタッフ「…分かりませんが」
院長  「だから、ワーク、チン」
スタッフ「働け…チン……」

●酸化還元


 ビタミンEを摂りすぎると、だめよという記事より。
 136000人を対象とした19の臨床研究で、今まで体内の抗酸化作用として重宝されてきたビタミンEを大量に摂り続けると、死亡率が高くなったという。

 このビタミンE、体の酸化を押さえることで有名なんだけど、じゃあ、そもそも酸化とか還元とかはなんだったっけ? ということでちょっとメモしてみようかと。

 小学校で習う酸化は、モノが酸素とくっつくこと。燃えるというのがその一例で、あるいは鉄で酸化が起きれば錆びるというわけね。
 なるほど、星飛馬が燃えるのも、星一テツと結びつくからなのね、と深く感心したものだ。

 それがどう。中学になると、まるで話が変わってくる。”水素が持つ電荷のやりとりが酸化還元だ”と、やたらとわかりにくい表現に変わってしまう。

 だらだらと電荷のやりとりが教科書には書いるのを見てると、小学校で教えられたことは実は間違っていて、それをむずかしい言葉や図でごまかしてるんじゃないかと勘ぐりを入れたくなるほどだ。

 でも見えないものを理解するのは、とてもむずかしいことなんだろう。院長がヨン様に似てるとここにメモしても、見えないから分からないのと一緒だ。
 それでもあえて挑戦してみようかと。

 ふとパソコンそばを見ると、「JJ」という雑誌があった。なんの略かは知らないけど、antiおばさanを略した「anan」の類の雑誌だと理解してもらえばいい。その表紙には、こう小見出しがある。

「聖夜のおねだリスト」

 主語は省いてあるけど、間違っても男がおねだりするリストじゃないことぐらい、長年のカンで分かる。勇気を出して開くと、ブーツやらバッグやらコートやらが写真入りリストに上がっている。同じシューズを3年履き続けている男性なんかが見たら気を失ってしまいそうな本だ。
 偶然、同じ靴を三年履いていて、おまけに服も10年も保っているおかげで一瞬目の前が暗くなってしまった。

 おねだリストがうまく実現すると、「ありがとう」の言葉とは裏腹に、もう来年のおねだリストが作られているに決まっている。そして今まで使っていたものは、どこかに放出されることになるはずだ。
 感謝されるのは、ありがたい。でも、せめて院長が使えるものなぞあればいいのだけど、ブーツなど回って来ても、やめてよってことになるのが関の山だ。

 ということで話をまとめてみよう。
「JJ」を手にする女性は、サンクと感謝しながら、ブーツなどの財貨を放出する。よれた靴を履き続ける男性は、もう勘弁してよってことになる。

 つまり財貨の動きで起こる、こうしたサンク、カンベンが理解できれば、電荷の行き来で起こるサンカ、カンゲンも、身近なものとして感じられるようになるはずじゃなかろうかと。


何年か前からこのビタミンEは、サプリメントとして積極的に摂るようにしている。運動のあとの活性酸素を少しでも減らそうという意図があったし、いつかある講演で、大学の循環器の教授が、ビタミンEは忘れずに摂るようにしてるというのを話していたのも続ける動機になっていた。健康によかれとやってたことが違うんじゃ、ちょっと困るんだけど。

でもまぁ、研究としては小さな集団らしく、結論は出ていないみたいだし、ほどほどにしましょうってことで、いいんじゃなかろうかと。

●スイート


 ある本に書いてあった”スイート・ルーム”についての説明。

『ホテルの「スイート・ルーム」を英語で綴ってみてください。「甘い」新婚カップルが泊まる部屋との発想から思わず「sweet room」と書いてしまいがちですが、正しくは「suite room」と綴ります(発音は全く同じ、但し英語では単に「suite」と言うのが普通です)。「suite」は「suit(スート=スーツ)」と同語源で、「一揃いの」の意味。トランプの10,J,Q,K,Aの5枚を「royal suit(ロイヤル・スート)」と言ったりしますね。というわけで、寝室、居間、浴室が揃った部屋がスイート・ルームです』

 今まで”つながった部屋”とかの意味で理解してたんだけど、まぁ当たらずとも遠からずってとこか。
 こうした英語の勘違いで気に入っているのが、次のやつ。


 英語圏を旅行中の何人かの日本人たちの話。レストランに入ってそれぞれが注文するのね。しばらくすると料理が運ばれてくる。
 で、ウェイトレスがそれぞれの料理の確認をしていくわけだけど、最初はハンバーグについて訊ねる。
「ハンバーグはどなたですか」
 仲間のひとりが手をあげて応える。
「ぼくがハンバーグです」
ってな会話が普通交わされるんだけど、最後の言葉を誤ってこういっちゃうのね。
「I'm humburg」


 もう何年も前のことだけど、職場の仲間とグアムに行ったとき、レストランに入ってこの話をしたら結構ウケた。でも実際に料理が運ばれたとき、やはり恥ずかしくて実行できなかった思い出がある。
 でも、どうせ下手クソな英語なんだし、元々がジョークなんだから、笑われてもいいからいったらおもしろかったかもね。

 そもそも英語なんて、スイート間違ったくらい、いいんだよね、きっと。

●血糖値


 坂を登るのと下るのは血糖値に違う影響を与えるのよというニュースより。
 急な丘を健康な人45人に登り下りさせたもので、実験はこう。
 2か月間、週に3回から5回急な丘を登ったあと、ケーブルカーで降りることをさせた。次に逆、つまりケーブルカーで登ったあと、歩いて下ることをさせる。ともに坂の登り下りのあと1日ぐらいのとこで採血した。
 で、血統値はどうなったかというと、坂を下る運動の方が坂を登る運動よりも血糖値を下げたそうな。

●進路


 あまり経験したことがない相談事があったのでメモしとこうかと。
 昨日ボクより少し年下の親しくしている先生から電話があった。二ヶ月ぐらい前に、近くの高校生が進路を決めかねているからといってその先生の診療所に来たそうな。その学生、以前に診てもらったこともあるともいうので、先生は記憶にはなかったけど相談に乗ってあげたのね。
 なんでも高校一年生で選択の一つに医者も考えているとのこと。で、その職業の将来の展望を現場の医者に直接聞いてみようということらしい。

 ウチの診療所は、医者の品位を下げるだけでなく、平均収入を下げることにも多いに貢献しているので、比べるのも失礼かもしれないけど、その先生のところは、ここよりもはるかに羽振りがいい。それでもきびしい医療経済のなかで、なかなか四苦八苦されているのも事実。
 で、その学生さんにきびしい現実をトクトクと話しされたそうな。

 学生さんの心の内の結論はどうか知らないが、彼が帰ったあと、よく考えると、若い芽吹きをつみ取ったことになったんじゃなかろうかと、その先生、気にされ始めたのね。もう一度会って話した方がいいかもしれないと考え始めたものの、診察じゃないから名前も知らず、もちろん住所さえ分からないから対処に困っていたらしい。

 でも、つい最近床屋でその話をしたら、そこのおやじが思い当たる学生がいるということになって、あとはズルズルと身元が判明したわけ。
 で、こんな話、ボクならきっと関心持つんじゃなかろうかということで、まだ日にちは決まってないけど、学生にジュースでもおごりながら、三人で話してみないかというお誘いの電話だった。

 おもしろそうだから、もちろんOKしたんだけど、さて一体なんといったものか。
 医学の学問を目指しているのであれば、それは医療経済とは若干異なるから励ましもできるだろうけど、開業医に進路を聞くというのはやはり医療行為そのものに関心があるのだろうね。
 その先生のいうとおり、開業医の未来ってのも明るくないしなぁ。勤務医は勤務医でいろいろつらいこともあるみたいだし。
 こりゃビールでも飲みながらじゃないと、とても話しできないだろうなぁ。


院長 「大麦もビールになろうとして生まれてきたんじゃないんだよね。飼料になる大麦もあるし、なんというか、なんになるかは分からないんだよね」
学生 「先生は運命論者なんですか?」
院長 「あ、いや、ビールに関しては、うんめぇ論者だけど」
学生 「まじめに答えてください」
院長 「あ、ちょっとカラオケでも歌ってから冷静に考えようか」
学生 「なに歌うんですか」
院長 「勝手に進路バット」
学生 「‥‥なーんにも考えてくれてないでしょ」
院長 「はい」


昔は”お医者”、今は”オイ医者”って呼ばれる時代だしなぁ。

●遺伝子銃


 アレルギーの治療に、遺伝子銃を用いる方法が開発されつつあるというニュースより。
 具体的には、アレルゲンのDNAを張り付けた金の粒子を"遺伝子銃"を用いて皮膚に撃ち込むというもので、マウスでの実験では成功したという。

 このニュース、いくつかの説明が必要だろう。
 まずアレルゲンから。
 昨日は飲み過ぎた。久しぶりの大酒だったことは否めない。こんな不甲斐ない男にアレルギーを示すのも分かる。だからといってそんなに怒んなくてもいいだろ。
 こんな架空のお話で、おおよそ推測できるようなったはずだ。つまり、荒れる原因になるものをアレルゲンという。

 もうひとつ遺伝子銃というのが、くせもの。
こんな形のものだが、見たことがないので推測でものをいうしかない。おそらく、手前の方じゃなく、かつ横に飛び散るのでもなく、きっと先の方から金の粉が飛び出すに違いない。引き金は小指ではなく、人差し指で引くのが楽だと思う。
 残念ながら、これくらいの説明しかできない。

 で、この遺伝子銃でマウスに、あるアレルゲンのDNAを入れ込んだあと、そのアレルゲンを繰り返し投与してもアレルギーが起こらなかったという。


院長  「スパイ小説のような話だね」
スタッフ「銃が出てくるからですか」
院長  「そうそう」
スタッフ「というより、SFっぽくないですか」
院長  「違うね。”007”バリの内容だね」
スタッフ「どうしてですか」
院長  「金の粉が、出てくるから」
スタッフ「というと?」
院長  「だから、ゴールド粉が、あったでしょ」
スタッフ「ありました」
院長  「確か、ゴールドフンガーあったよね」
スタッフ「…」

●視聴率


 去年の話。
 日テレのプロデューサーが視聴率を操作したとこのことで騒ぎになっていた。経営トップの降格人事もあるみたいだけど、問題は管理とかにあるんじゃなく視聴率に踊らされるメディアそのものにあると思うんだけど。
 だってこの視聴率ってのは、ほとんどがスポンサーのためにあるんでしょ。スポンサーを獲得するためには、ぜひとも視聴率上げなくちゃいけないよね。

 でもね、見る方にしてみれば視聴率が高いから見ようとか思わないし、そもそも視聴率なんて結果だからどうでもいいんだよなぁ。日本シリーズをどれくらいの人が見てようが、紅白がどれくらい視聴率稼ごうが、ボクにはまったく関係ないんだけど。
 今回の問題で視聴率に代わる番組を評価する指標を検討するとかいってるみたいだから、ボクとしては絶対評価をお願いしたいね。

 学校の通信簿だって、誰が一番とか二番とかの相対評価から、”よくできました”とか”がんばりましょう”に変わっちゃったでしょ。番組も局としての公平な評価を公表してもらうわけね。”熟練プロデューサーの手による力作です”とか”くだらないバラエティで、もう少し検討の余地あり”とかね。そちらの方が見る方にとってはよほど参考になると思うんだけどなぁ。

 まぁそれにしても、視聴率上げるために視聴者を買収するなんて、すぐバレルと思わなかったのかしらね。ホント発想が幼稚で相当に常識はずれだよなぁ。
 こんなおバカさんがほかにもいないか、いっそのこと各放送局にリサーチやってみたらどうだろ。


リサーチ会社「次の質問に答えてください」
放送局の人 「なんですか。”廊下を走ってもいいですか”とか”給食の前には手を洗わなくてもいいですか”とか、まるで小学生に聞くようなことじゃないですか。だいたいなんの調査ですか」
リサーチ会社「シチョウリツの調査です」
放送局の人 「なんでこれが視聴率につながるんですか」
リサーチ会社「いえ、視聴率じゃなく、常識的感覚の失調率の調査です」
放送局の人 「……じゃあ、廊下は走ってはけないと思います」
リサーチ会社「あ、そうですか。やっぱり常識が欠落してますね」
放送局の人 「どうしてですか?」
リサーチ会社「こういうチンケな質問にまじめに答えるからです」
放送局の人 「うぅわぉ」

●ハングリー精神


 生まれたばかりのマウスの赤ちゃんは、自分の細胞を食べているかもしれないという記事より
胎盤から栄養をもらっていたのが、この世の中に出てきた途端、”食事”がなくなる。つまり母乳を与えられるまである種の飢餓が襲ってくることになる。それを乗り越えるために、自分の細胞を壊して栄養にしているかもしれないという内容。

 分かる。小学校の運動会の練習のとき、小石を食べたものだから、共感できる。お腹が空けばなんでも口にするものだ。
 体育座りして横に並んでいたアホ友は、こう訊いてきた。「おいしいか?」

 想像力のないやつだった。おいしくないに決まってる。それでも退屈な練習と空腹感がごまかせれば、よかったのだ。
 アホ友に反し、知識に飢えていた少年院長は、その行為から小石だけでなく大石も食べられないことを学んでいた。おいしくない、という言葉で、大石くわない、と理解できたのだ。

 そのハングリー精神は、今も引き継がれている。おかげで、こうしてメモすることがない日も、幼い日の馬鹿話でもなんでも口にすることができるようになっている。


気になる話題がない日でした。

●男性更年期


 まず更年期かどうかを調べるため、下の”権威ある”質問票に答えていただきたい。


質問

元気がなくなってきましたか?
夕食後うたた寝をすることがありますか?
最近、仕事の能力が低下したと感じていますか?
「日々の愉しみ」が少なくなったと感じていますか?
物悲しい気分/怒りっぽいですか?
身長が低くなりましたか?
性欲の低下がありますか?

●世界の中心で


「世界の中心で愛を叫ぶ」という本がある。映画やテレビドラマにもなっている物語で、あっという間に読み終えるわりには、なにか心に残るものがある。お話についてはあれこれいってもお伝えできないと思うので、まだの方は読んでもらった方が早いから、どうぞ。
 とはいっても、ある意味、お話としてはごくごくありふれた内容。これが評判になったのは、この少し長めの題にもあるみたいなのね。

 今はどうか知らないけど一時、医学界でも、とりわけ基礎分野で、こうした長めの題名の論文が流行ったみたいなのね。たとえば「遺伝子は多糸染色体のバンドにもインターバルがあるらしい」とか「クロマチンに結合した因子により、各DNA領域はS期に一回だけ複製し、再複製をしないようになっている」とか、ほとんど文章が題として載ってたりしてね。


 ここのHPの名前もネットサーファーの目に止まるようにする工夫してみようかしら。ウチは少し外科みたいなのもやってっから、

「切開の中心で、患者、アーとかイーとかを叫ぶ」なんかどうかなぁ。

…うーん、やっぱりまぁ、こんなことしてもアクセスの状況、きっと変わらないだろうな。
このまま「院長室」しかなさそうね。

●グレープフルーツ


 グレープフルーツという果物がある。おいしんだけど、血圧を下げるある種類の薬と一緒に摂ると血圧が下がり過ぎるということが起こることがある。
 降圧剤を飲んでいる人なら、結構知っていることかもしれない。

 だけど、このグレープフルーツ、血圧の薬だけでなく、コレステロールを下げる薬にも、ちょっと具合が悪いという報告があった。

●鳥インフルエンザ


 鳥インフルエンザが東南アジアで発生している。ここに国立感染症研究所の鳥インフルエンザについての情報があるので、今日のメモはこれを解説してみようかと。

●嗅覚


 昼からなんだか熱っぽくなってしまった。熱を出す病気というのはゴマンとあるけど、全部はいくらなんでも覚えきれない。それでも風邪、風邪症候群、風邪症候群疑とスラスラ上げられるのは、さすがに名医ならではのことだろう。そのうちの一つである風邪の可能性が高い。

 で、ネタ探しも億劫になったので、イヌのメモでもしようかと。
 クリニックに子犬がやってきて、半年になる。イヌの世話というのは、幼いころ散歩なんかにときどき連れていってたので、さほどでもないだろうと踏んでいたのだけど、それがとんでもない。
 ペットフードの用意から、フンの始末、散歩、遊び相手になる、ビールを隠すなど、やることが結構あるのだ。そばの女性のいいなりになっていた方がよっぽどマシと思えるくらい、面倒だ。

 で、これだけ時間を費やしてやってるんだから、少しぐらい人のいうことを聞くようになったかというと、そうじゃない。できるのは、せいぜいがお座りだ。
 これじゃ、行く末が思いやられるので、少し科学的アプローチを試みようかと読んだ本(注)に書いてあったこと。

 イヌの嗅覚がすぐれていることは周知のこと。で、警察犬などが犯人の足跡を鼻をクンクンさせながら追っかけているのを見かけた方も多いかと。

 あれってどうして犯人が逃げた方向へ嗅いでいくんだろうね。
 かくいう本人も本を読むまで、疑問としても浮かばなかったんだけど。

 確かにクンクンしたあと、靴の跡、つまりどちらが踵でどちらがつま先の跡かを考えているイヌなんか見たことがない。


警察官「お前、大丈夫か」
犬さん「調子悪いス」
警察官「形を見て判断してないだろうな」
犬さん「まさか」
警察官「ほんとに大丈夫か」
犬さん「大丈夫ス。でも今日は調子悪いス」
警察官「どういうこと?」
犬さん「犯人は下駄履いて逃げてるス」
警察官「……」

(注)「犬の科学」築地書館。
方向が分かるのは、犯人に近い方の足跡の方が、臭いが残っているということらしい。