蘇生

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 ウチのアホ犬が冷たい態度を取るときは、食欲が満たされているときだ。いくら呼んでも振り向きもしない。
でもそんな冷たい態度など屁でもない犬の記事があった。
 呼んではもちろんのこと触っても叩いても無視する犬の話だ。冷たいのは態度だけではない。身体も冷たく体温は数度になっている。呼吸も心臓も停止している。
 つまり臨床的に死んでいるのだ。ところがこの犬、数時間すると再び生き返るという。

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自由落下

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 物理用語で自由落下という言葉がある。ネットでの表現を拝借すると「速度に比例する空気抵抗を受けながら、重力によってまっすぐに落下する物体の運動」ということになるが、つまりはものを高いところから落としたときの動きだ。
 もちろんまっすぐに落ちていくことなど、地球上でありえない。風が吹いたりカラスがつついたり院長が石を投げつけたりするからだ。だから仮想的な空間だ。

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再帰性

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 ネタ元は分からなくなってしまったが、手元にあるファイルにこんな画像があった。
 自分が見ていたテレビの映像に自分が登場してくるというものだ。
 驚いてしまった。そんなことがあるのだろうか。今まで学んできた科学理論になにか欠陥があったのだろうか。それとも欠陥がある科学理論しか学んでこなかったのだろうか。

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数学と言語

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 言葉とは不思議だ。「院長が好きなビールを飲む」という文があるとする。誰しも院長がビールを飲んだという風に解釈するだろう。
 だがこう表記されたらどうだろう。
「(院長が好きなビール)を飲む」
 主語はないが、ビールを飲んだのは院長ではない可能性がぐっと高くなる。

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カエル

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 幼い頃、アホな仲間と「蛙の唄」を歌ったことがある。
 ”カエルのウタが”のフレーズが終わり”キコエテくるよ”が始まると、他のやつの”カエルのウタが”が始まる、例の輪唱だ。
 最初はいい。だが何人もの声が重なると仲間の声が大きくなってくる。そのときやつらがアホだと気づいた。もちろんこちらの声を聞いて、他のやつもこちらがアホだと気づいていたはずだ。

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moon

 月を見るたびにある女流作家を思い出す。
 大型新人ともてはやされていたころの作品に、空に浮かんでいる月をさりげなく”カミソリのような月”と表現しているくだりがあった。奇をてらいすぎる感じもないではないが、いつまでも心に残る表現だった。
 それからは月を見ては、自分でいろんな表現を試みている。

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